空き家になった実家――それは資産? 負債?マネーの達人(1/2 ページ)

» 2015年03月11日 06時00分 公開
[岩宗繁樹マネーの達人]
マネーの達人

 1人暮らしだった母が、昨年、特別養護老人ホームに入居した。年齢と介護のレベルを考えても、実家に戻ることは考えられない。近い将来、私と姉とで相続することになる。

 姉は、「実家に住むこともないし、遠くに住んでいるから相続は放棄する」と言うので、私が実家を相続することになるが、母の財産と言えば家だけで金融資産もない状況だ。

 妻との会話は、実家の空き家を相続してどうするかという問題についてだが、このところケンカが絶えない。妻の言い分はこうだ。

利用しないのに固定資産税を払い続けるのは経済的にも負担だし、万が一「特定空き家」(※)に認定されて固定資産税が6倍になってしまったらとても支払いきれない。そうならないためにも、早く現状を把握して手を打つべき。ほっといてはいけない。

 一方、私の言い分は、

思い出のたくさん詰まった実家を残したい。実家を相続してもすぐに住む気はないが、定年後に終の棲家(ついのすみか)としたい。特定空き家と認定されないようにリフォームして定年までの5年間は貸家にすれば、家賃から固定資産税を支払う事もできるし収入を増やすのが良い

 というものだ。

(※)特定空き家:行政から特定空き家と認定されると解体勧告や固定資産税の減額がなくなってしまうというもの。2014年12月3日「空き家等対策に関する特別措置法案」が国会解散直前に成立して誕生した。
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