数社のエントリーで内定がもらえたO君は、やっぱり“カーリング型”?:誠 Weekly Access Top10(2008年3月21日〜3月27日)
景気の回復などで、数年前から新卒採用の売り手市場が続いている。就職氷河期の先輩たちと比べ、簡単に内定をもらえた学生が多いそうだが、本当なのだろうか? 実際に就職活動を経験したインターンのO君に話を聞いた。
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先週、最も読まれた記事は「がつがつ食べ、飲み込むドラゴン」。また2位には「中国はすでに「世界の工場」ではなくなりつつある」がランクインするなど、チベット自治区での暴動やオリンピック開催を控える中国の動向に、読者の注目が集まったようだ。
2008年度の新入社員は「カーリング型」なの?
明日、4月1日に新入社員の入社式を実施する会社も多いだろう。社会経済生産性本部の調査によると、2008年度の新入社員のタイプは「カーリング型」だという。カーリングとは冬季オリンピックの女子チームの活躍で注目されたスポーツで、ストーンと呼ばれる円形の石を、氷上40メートルほど先のマトに向かって、相手チームと交互に投げ合う競技だ。
なぜ新入社員をカーリング型と命名したのだろうか? 社会経済生産性本部によると、「(カーリングのように)少しでもブラシをこするのを止めると、(新入社員は)減速したり、止まったりしかねない」と分析。こうした背景には新卒入社の「売り手市場」が関係しているようだ。「就職氷河期」と呼ばれ、就職するのが難しかった世代に比べ、内定をもらうのが簡単だった新入社員は「会社への帰属意識は低めで、磨きすぎると目標地点を越えてしまったり、はみだしてしまったりということもあるだろう」(同)としている。
さて、2008年度の学生は本当に売り手市場だったのだろうか? そこでインターンに来ていたO君に自分の就職活動を振り返ってもらった。
確かに就職氷河期は終わっていた
就職活動を始めたころ、O君は先輩からこんな話を聞かされていた。「100社エントリーして、内定1社もらえるかどうか」だと。就職氷河期を経験した先輩たちと比べれば、O君の世代は「数社エントリーしただけで、内定をもらった人が多かった」という。
O君の話を聞く限り、やはり今年の新卒は売り手市場だったようだ。だからといって「就職活動は簡単なものではなかった」とO君は言う。「内定を目指して就職活動を始めたものの、自分がどういった業界・業種に向いているのか迷った時期があった」と振り返る。
O君は内定をもらうため、まるで“宝物を掘り当てる”ように、就職活動をしていた時期もあったという。しかし闇雲に掘り続けることが間違いだと気付き、周囲の人からのアドバイスを参考にして、「どういった仕事がしたいのか」をもう一度考えてから、就職活動を再開した。そして、めでたく「アイティメディア」からの内定をもらったのだ。確かに売り手市場だったため、就職氷河期の世代と比べれば、少ないエントリーで内定を手にした学生も多いはず。それでも学生にとって就職活動が自分自身を見つめ直す良い機会であることは変わらないようだ。
ともかく4月1日からは社会人の仲間入り。慣れない環境に戸惑うかもしれないが、“優しい先輩”(!?)たちばかりなので、ご安心を。
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