すべてのアニメは2つに分類できる――好きだと言えるアニメと言えないアニメとに:誠 Weekly Access Top10(2008年6月21日〜6月27日)
日本人の好きなアニメは「となりのトトロ」「サザエさん」「ドラゴンボール」。あまりに“平凡”すぎるアンケート結果に筆者は疑問を持った。それ、正直に答えてる?
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こんにちは、先週からBusiness Media 誠の編集部に加わりました堀内彰宏と申します。ECO誠を中心に記事を書いていく予定ですので、これからもよろしくお願いいたします。
先週のトップ10では、新崎幸夫氏の連載「最終回・MBAの理想と現実――卒業して分かったこと」が3位にランクイン。MBAを卒業した新崎氏は、既に日本へ帰国しており、希望の会社に就職して東京で新生活を送っているそうだ。
好きなアニメはなんですか?
MBAやボーナスといったビジネス(?)系の話題を押しのけて、先週もっとも読まれた記事となったのが「最も好きなアニメ、女性は『となりのトトロ』。では男性は?」だ。アニメという身近なものがテーマになっただけあって、幅広い読者の興味を集め、多くのブログで言及されたようだ。関連記事の「泣ける漫画と人に薦めたい漫画は?」も5位に登場している。
記事によると、男性の人気1位は「機動戦士ガンダムシリーズ」、女性の人気1位は「となりのトトロ」。しかし、筆者はこの当たりさわりのない結果に少し違和感を抱いた。記事に触れたブログに「体面を保つために当たりさわりのない作品を選んだ人きっといるね」とあったのだが、筆者も同感。この調査では「好きなアニメ」というよりは「自分のようなタイプの人間が好きそうなアニメ」が挙げられてしまったのではないか。
例えば、こんな状況を想像してほしい。あなたは清楚な雰囲気のとてもかわいい女の子だが、実はドリアンが大好きだったとする。ある日、イケメンぞろいの合コンに参加することになった。そこで好みのタイプの男性から「好きな食べ物は?」と尋ねられた時、「ドリアンです」と素直に答えられるだろうか。恐らく、答えられないのではないだろうか。ドリアンは確かにおいしい。しかし、独特な匂いゆえに嫌う人も多い。好きなものに挙げることで、そのイメージが自分に重ねられることを恐れ、つい無難に「イチゴです」などと答えてしまうのではないだろうか。
その傾向は、「サザエさん」(男性3位、女性2位)と「ちびまる子ちゃん」(男性ランク外、女性9位)の順位の違いからも裏付けられるかもしれない。双方とも日曜の夕方に放送されている日常を描いた作品ということで、共通点は多い。近い順位にあってもいいはずなのに、「サザエさん」のほうがかなり順位が高い。この背景には「サザエさん」の無難さが評価されたということがあるのではないだろうか。
無難な回答をすることで、場の雰囲気を壊さないようにするのが“大人の作法”。いわゆる男らしさの象徴といえる“戦い”がテーマの「機動戦士ガンダムシリーズ」が男性1位、女の子が好むぬいぐるみのような生き物が登場する「となりのトトロ」が女性1位なのは、男女それぞれが「自分が(本当に)好きなアニメ」ではなく、「自分のようなタイプの人間が好きそうなアニメ」を選んだ結果とは言えないだろうか。
え? 筆者の好きなアニメですか? やだなあ、男なんだからそんなの「ガンダム」に決まってるじゃないですか。正直に「ハルヒ」とか答えて、配属早々「普通じゃない」というレッテルを貼られたら困りますしね。
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