副都心線が6月14日に開業してから1カ月。池袋、新宿、渋谷といった商業エリアを通る副都心線の登場で、沿線住民の行動はどう変わったのだろうか。
野村総合研究所が、副都心線開業の影響を受けると考えられる5路線の沿線居住者で、過去3カ月以内に買い物・レジャー目的で新宿を訪れたことのある1160人を対象に、インターネットでアンケート調査を行った。調査日は副都心線開業から1週間後の6月22日。
副都心線開業後に新宿を訪れた各沿線居住者に「副都心線を利用したかどうか」を尋ねると、東武東上線沿線(和光市以遠)では36.4%、西武池袋線・西武有楽町線沿線(小竹向原以遠)では19.5%が利用していたことが分かった。これから利用したいという人の比率も高く、沿線住民の新たな生活の足として早くも受け入れられている様子が伝わってくる。
人の流れは池袋から新宿へ
新宿を訪れやすくなった沿線住民の行動は、これからどう変わっていくのだろうか。新宿を訪れる際に副都心線を最も利用していた東武東上線沿線の居住者に今後の意向を尋ねた。
沿線居住者を、新宿と池袋両方をよく訪れる人と池袋だけをよく訪れる人の2グループに分けて、これから池袋や新宿に訪れる頻度がどうなるかを質問した。すると、2グループとも「これまでよりも頻繁に池袋に出かけるようになる」と答えた比率は1割前後だったのに対し、「これまでよりも頻繁に新宿に出かけるようになる」と答えた比率は3割近くに達した。
副都心線沿線はファッションアイテムの購入スポットとして人気のある場所が多い。そのため野村総合研究所では、「池袋エリアでは地盤沈下を防ぐためも、新宿、原宿・表参道、渋谷を意識した商業エリアとしての魅力作りが課題となる」とコメントしている。
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