総務省の調べによると、2007年の転職者は346万人。転職の理由については、「仕事が合わない」「給料が安い」などさまざまあるだろうが、直接仕事とは関係ない「人間関係」が理由になることはどれだけあるのだろうか。エン・ジャパンが、6月19日から7月16日にかけて転職サイトの登録者971人にアンケート調査を行った。
「人間関係を理由に転職活動を考えることはありますか?」の問いに、「ある」と回答した人は57%。20代(62%)、30代(57%)、40代(58%)、50代(51%)と年代が下になるほど、「ある」と答える割合が増えている。「上司に業績を横取りされる一方、責任は押し付けられている」(39歳・男性)、「きちんとコミュニケーションがとれなかったり、権限委譲ができていない職場は仕事をする上で問題がある」(49歳・男性)といった不満があるようだ。
「仕事において誰との人間関係で悩んでいますか?」との質問には、「上司」が1位で57%。以下、「同僚」(23%)、「部下」(15%)と続いた。「顧客」と答えたのはわずか8%で、人間関係の悩みはほとんど社内にあるようだが、中には「上司の家族」といった回答も寄せられた。
また、転職経験のある人に「転職で人間関係の満足度はどう変化しましたか?」と尋ねると、「以前より高まった」が21%、「変わらない」が55%、「以前より下がった」が24%。転職したからといって、必ずしも人間関係の悩みが解消されるわけではないようだ。
当たり前のことを当たり前にすることが大切
より良い人間関係を築くためにはどうすればいいのだろうか。「仕事での人間関係作りで、気を付けていることはありますか」と尋ねると、「あいさつをきちんとする」が75%でトップ。以下、「報告・連絡・相談をしっかりする」(69%)、「約束を必ず守る」(54%)が続いた。当たり前のことを当たり前にこなすことが大切と考えている人が多いようだ。
個別では、「仕事中はシビアにならざるを得ないので、それ以外ではできるだけ雑談をして穏やかな関係を築けるように配慮する」(40歳・女性)、「自分の担当している仕事をきっちりやることです。ほかの人はよく見ています。自身の仕事が認められれば、他者からの注目も集まります」(48歳・男性)といった意見があった。
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