30代以上で“読書離れ”の兆し――その理由は?
「読書離れ」と聞くと、若い世代の話と思う人も多いはず。しかしネットマイルの調査によると、30代以上で増えていることが分かった。なぜ中高年は本を読まなくなったのだろうか? その理由は……。
あなたは1カ月に何冊の本を読むか? ネットマイルの調査によると、「読んでいない」と答えた人が最も多く41.3%、特に30代以上の世代の回答率※で高いという結果となった。このほか「1冊」と回答した人は17.0%、「2〜3冊」と回答した人は25.5%、「4〜5冊」が8.5%と続いた。
同社が実施した2007年の調査と比べ、本を「読んでいない」の回答率が増加傾向にある。10代で3ポイント、30代で7ポイント、40代で8ポイント、50代で7ポイント、60代以上で13ポイントそれぞれ増えた。逆に20代は6ポイント減少した。
本を「読んでいない」と回答した人(248人)に読まなかった理由を聞いたところ、1位は「読む時間がなかったから」で44.0%、以下「読みたい本がなかったから」(33.5%)、「本よりテレビやラジオ、インターネットの方が面白いから」(26.6%)、「本を読むのが嫌いだから」(14.1%)、「本を読まなくても困らないから」(13.7%)だった。年代別で見ると、20代と40代は「読む時間がなかったから」という理由が多く、50代は「本よりテレビやラジオ、インターネットの方が面白いから」の回答が目立った。
この結果についてネットマイルは「本を読まない背景には『時間がない』『読みたい本がない』以外に、『ほかのメディアへの興味』といった理由が増えており、読書習慣を身に付けることの難しさがうかがえた」としている。
1カ月当たりの本にかける金額、7割は1000円未満
好きな本のジャンルは1位が「推理・ミステリー・ハードボイルド」(33.5%)、2位「ノンフィクション」(21.8%)、3位「歴史・時代小説」(20.4%)、4位「ファンタジー・幻想」(19.3%)、5位「実用・スポーツ・ホビー」(18.9%)だった。男女別で見ると、男性は「推理・ミステリー・ハードボイルド」が28.8%で最も多く、以下「コンピュータ・インターネット」(24.6%)、「歴史・時代小説」(22.4%)と続いた。一方の女性は「推理・ミステリー・ハードボイルド」(38.0%)、「ロマンス・恋愛」(31.7%)、「エッセー・随筆」(25.7%)に人気があった。
1カ月当たりの本にかける平均金額を聞いたところ、「500円未満」と答えた人が最も多く40.9%、次いで「1000〜3000円」が24.4%、「500〜1000円」が24.2%。1カ月当たりの本にかける金額は、7割の人が1000円未満であるようだ。
インターネットによる調査で、男女300人ずつが回答した。年代は10代〜60代以上まで各年代100人ずつ。調査期間は8月14日から8月15日まで。
関連記事
- ニュースの情報源、年代によって違い――20代の28%は携帯電話
普段ニュースを見るときに、どのメディアから情報収集をしているのだろうか? 全体では「テレビ」がトップだったが、年代別に見ると違いが浮き彫りになった。Webマーケティング調べ。 - あえて言う「新聞に未来はない」
若者の新聞離れ、ネットの隆盛などを背景に、「日本の新聞に未来はあるのか?」と議論されることが増えている。新聞社にはネット専門の媒体にはない強みがあるが、それでも筆者は「新聞に未来はない」と考える。新聞はどこが強く、どこが弱いのだろうか? - よく読む雑誌――女性1位は「オレンジページ」、男性1位は?
「雑誌離れが進んでいる!?」といった声も聞かれるが、実際には1カ月で何冊くらい購入しているのだろうか。「1冊」「2〜3冊」の購入が多いが、2年前の調査と比べ“購入率”は低下していることが分かった。マイボイスコム調べ。 - 30代にとって「情報が早い」「役立つ」「有益」なメディアはウェブサイト?
男性が聞かなくなったメディアは「ラジオ」、女性が読まなくなったメディアは「雑誌」。30代男女のメディア観について調査した。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.