矢野経済研究所が9月22日に発表した飲料市場調査によると、2007年度の飲料市場は前年度比101.8%で、3年ぶりに市場が拡大したことが分かった。その理由として「年明けからの暖冬や夏の記録的な猛暑が好影響を与えたこと。また近年好調なミネラルウオーターや野菜飲料が2007年度も伸びたことに加え、苦戦していたコーラ飲料やブレンド茶が復活したため」(矢野経済研究所)としている。
品目別に市場規模を見ると、コーヒーが8800億円(前年度比100.6%)、日本茶が7200億円(同101.0%)、ミネラルウオーターが2250億円(同112.5%)、野菜飲料が2115億円(同104.8%)。ミネラルウオーターについて「最近はフレーバーウオーターなど、バラエティ商品も出てきていることから、今後も用途やシーンに応じた提案が活発化するだろう」(同)
日本茶については、これまで市場をけん引してきた緑茶が減少。売上が減少した理由として「同じようなコンセプトの商品が増え、コンセプトのオリジナリティが薄れてきた。そのため、上位メーカー商品への購買に集約され、売り場面積が縮小されたことが影響した」(同)と分析している。
多くのメーカーが売上高を伸ばした一方で、原材料高や原油価格の高騰などにより、収益環境は悪化。このため2007年5月には、果汁飲料メーカーが果汁入り飲料に対して値上げに踏み切ったほか、2008年春には牛乳などの値上げが続いている。こうした状況を受け、飲料業界では資本提携や業務提携などの業界再編が進んでいる。ビール系飲料メーカーは親会社であるビールメーカーとの連携を強化するほか、そのほかの企業でも食品・酒類メーカーとの提携を活発化。こうした環境が継続すれば「体力に乏しい企業は市場から淘汰され、より業界再編のムードが強まっていくだろう」(同)と見ている。
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