連載
どうなる、こうなる首都圏の道路網――(3)東京外かく環状道路編:近距離交通特集(2/3 ページ)
今後の首都圏での高速道路建設計画を紹介する連載の3回目(全4回)。今回は「3環状」のうち、2番目に外側にある東京外かく環状道路の建設計画を取り上げる。
完成度は全体の4割
現時点で開通している外環道の区間は、三郷南ICから大泉JCTまでの約34キロメートル。計画されてから40年余りもの月日を経ながら、実はまだ完成度は半分に満たない。
環の東部分にあたる首都高速湾岸線と接続する高谷JCTと、常磐道へとつながる三郷南ICまでの約15キロメートルについては、用地買収と建設工事が並行して進められており、2015年に開通する予定となっている。
しかし用地取得率が92%と用地買収が難航しており、取得が完了した区間から工事が進められている。実のところ用地取得はこの数年間で大きな進ちょくが見られない。2015年の全線開通を目指しているものの、予定地の地権者の中には、計画に反対して調査すら拒否している事例もあるため、先行きは決して万全とはいえない。
仕切り直しとなった西部分
環の西側部分は、東部分にも増して難航しており、現時点では具体的な開通までの予定が立っていない状態だ。
そもそも外環道の計画がスタートしたのは「3環状9放射」プランが固まった1960年代のこと。大まかな予定地と、高架式で進めるという形で1966年に都市計画決定されていた。しかし、実際に和光IC〜三郷JCT間が、外環道として初めて開通したのは1992年のことだ。実に20余年もの月日が費やされている。
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