まずは人材交流から。ロシア進出を視野に入れたスカイライト コンサルティング
ロシア進出を視野に入れ、ロシアの大学と提携を結んだスカイライト コンサルティング。「100年に1度の金融危機」と言われる中で、なぜ同社はロシア進出を考えているのだろうか?
スカイライト コンサルティング(スカイライト)は1月28日、ロシアのヴォストーチヌィ大学(ヴォストー)との提携に合意した、と発表した。スカイライトではロシア進出を視野に入れており、「日本語とロシア語の両方に堪能なロシア人で、コンサルティング手法の経験を積んだ現地スタッフが必要」と判断。そこで日本語などに力を入れているヴォストー大学と提携し、優秀な大学生をスカイライトで育成していく方針だ。
提携の一環として、スカイライトの佐藤幸作シニアマネージャーがヴォストー大学の客員教授に就任。講義を通して、日本企業の経営実態などに興味を持つ大学または卒業生を、2009年度からインターンとして受け入れる。インターン生は、ロシア語による資料作成やコンサルティング業務の補佐などに携わる予定。またインターン終了後、能力などを判断した上で、スカイライトの社員に登用する。
事前研修生の(4月からインターン予定)アリーナ・ドルガーノヴァさん(5年生)は、親の仕事の関係で日本で1年間滞在していた経験を持つ。「コンサルティングの仕事はとても難しいですが、(仕事を通して)自分が成長できる仕事だと思う。一番大切なのはクライアントを喜ばせること。成果をあげて、クライアントを喜ばせたい」と抱負を語った。
現時点でロシアの市場規模は小さい
「100年に1度の金融危機」と言われる中で、なぜスカイライトはロシア進出を視野に入れているのだろうか? 「金融危機の中でロシア市場も大打撃を受けている。しかし損失を被ったのは外国人投資家が多く、現地のロシア人はそれほど打撃を受けていない」(佐藤氏)と分析。またロシア経済の課題として、天然資源に大きく依存していることが挙げられる。この点については「たしかにロシア経済は天然資源に依存している。しかし政府はそうした体質からの脱却を図っており、今後は一般企業の中堅企業を中心に成長を見込んでいる」(同)と話す。
コンサルティング業務を行うスカイライトにとって、ロシアはどのくらいの市場規模があるのだろうか? 羽物(はぶつ)俊樹社長は「現時点での市場規模は小さい。しかし今後、中間層が増えてくると、企業は商品やサービスの質を上げていかなければならない。その時にコンサルティングのニーズがあるだろう」としている。
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