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麦ワラの家はあったのだ! 究極のエコハウスとは松田雅央の時事日想(3/3 ページ)

その昔、ドイツの農村では麦ワラを詰めたベッドを使っていたという。麦ワラは保温性に優れ、通気性もよく、経済的だ。そんなエコ素材である麦ワラを積み上げて、本物の家を建てている建築家に話を聞いた。

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地産地消のエコ素材

 建築素材として麦ワラが適しているのなら、稲ワラはどうだろう?

 ユング氏によれば、稲ワラはワラ同士がくっつきやすく、麦ワラよりブロック成型に適している。ただし、麦ワラブロックも稲ワラブロックも水に濡れると腐るため、高温多湿な気候に適するかどうかは分らないそうだ。ドイツのように比較的乾燥している地域でも、麦ワラブロックハウスは湿気が上がってこないよう地面と床下に十分な空間を取り通気を確保する必要がある。

 ちなみに、麦ワラに栄養価がないため虫がわく心配はない。また、ブロックは硬いのでネズミが穴を開けて巣を作ることもできないという。

 ユング氏のパンフレットには麦ワラブロックハウスの例として、別荘、庭の小屋、サウナ、農村の家屋などを挙げられている。木材同様、麦ワラはカーボンニュートラルな素材であり、農村で収穫した素材を地元で使用すれば輸送にかかるエネルギーも最小限に抑えることができる。麦ワラは建築素材として優れ、安価であり、人にも優しい。まさにエコハウスに最適な素材ではないだろうか。


小麦畑

麦ワラブロックの建築家ハネス・ユング氏
※1ユーロ≒137円

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ドイツ | エコロジー


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