日本の“seifuku”を世界に――「なんちゃって制服」の殿堂、CONOMi物語(4/4 ページ)
日本のポップカルチャーを紹介するイベントでは、日本の学生の制服を思い思いにアレンジした「なんちゃって制服」に身を包む若者が増えている。なぜ、制服ファッションは海を越え、海外へと広まっているのだろうか。「なんちゃって制服」の殿堂、東京原宿の制服アイテム専門店「CONOMi」を取材して人気の秘密を探った。
1つのファッション文化として海外へ受け入れられる制服
海外で制服はおしゃれ、ファッションとして存分に受け入れられ、楽しまれている。驚いたことに、制服は「school uniform」ではなく、「seifuku」として海外から認知されていたという。「karaoke」や「tenpura」など、“海外から受け入れられた日本のカルチャーであること”を表すのにこれ以上の分かりやすい説明はないだろう。
世界では日本のアニメや漫画、ドラマなどが広く浸透している。それらには当たり前に日本の制服が登場している。アニメや漫画など、ポップカルチャーを通じて日本の若者文化が自然と伝わっているのだ。日本の若い世代と同じアニメや雑誌を見て育っている海外の若い世代にとって、制服など日本独特のカルチャーが浸透していくのは確かにごく自然なことである。
ポップカルチャーは私たちの考える以上に軽々と、歴史や国境を越えていっているのかもしれない。CONOMiの相浦社長は「今後、海外に積極的にこのカルチャーを広げていきたい。本物を見せてあげて、体験させてあげて、日本独特のファッションを知ってもらいたい。そして日本をもっと好きになってもらって、自分が若いころに持っていた海外の文化に対する憧れや思いをかなえてあげたい」と語っていた。
CONOMiでは制服の販売のほかにも、現在ではさまざまな番組への衣装提供など多方面での展開を実施している。特に人気だったのは、今や制服アイドルの代表であるAKB48の板野友美さんとのコラボレーション。オリジナルカーディガンを制作販売し、大人気商品となったという。
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本記事は2010年5月16日に掲載された「CONOMiものがたり」を再掲したものです。アジアンビートのその他の記事は、こちらで読むことができます。
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