2010年の夏休みを前に、旅行業界から相次いで夏休みの旅行動向予測が発表されている。JTBの調査では、今夏はリーマンショック以前の水準に戻るものとされるほか、楽天リサーチの調査では、国内旅行の移動手段に自家用車やレンタカーを挙げる人が多かった。どうやら、今年の夏の旅行は、高速道路のETC割引を活用した「安・近・短」な国内旅行が特徴の1つになりそうだ。
渋滞覚悟でも利用意向の高い“高速料金1000円均一”
JTBが発表した「2010年夏休み(7月15日〜8月31日)の旅行動向」によれば、ETC割引利用経験者の86.1%が、この夏の旅行でETC割引を利用したい意向を示している。
また、楽天リサーチと楽天トラベルが共同で実施した「今年の夏のレジャーに関するインターネット調査」において、レジャーを楽しむうえで高速道路料金の休日特別割引や一部無料化政策を支持できるかどうかを尋ねたところ、「非常に支持している」(14.5%)、「支持している」(31.2%)と全体の45.7%が支持していることが分かった。
旅行でも格安レンタカーへの期待が高まっている
高速道路料金が安くなると、レンタカーを借りても交通費全体の額を押し下げやすくなる。その中でも注目したいのが、一般的なレンタカーよりも一段安い価格体系で展開している“格安レンタカー”業界だ。
一般的なレンタカーでコンパクトカー(排気量1500〜1800cc、乗車定員4〜5人クラス)を12時間借りると、およそ5000〜6000円程度になる。一方、格安レンタカーで同じ車種を同じ時間借りると2500円程度だ。このカラクリには秘密がある。
格安レンタカーの場合、フランチャイズ制を採っているところが多く、店舗間で車両を融通したり、乗り捨てサービスを提供したりするところは少ない。また、店舗がガソリンスタンドや自動車整備工場などを本業としており、レンタカーサービスを副業で手掛けているため、人件費や車両整備費用を安く上げることができる。
格安レンタカー業界大手のレンタスが運営する「ニコニコレンタカー」の場合、ガソリンスタンドの設備をそのまま利用し、自社の自動車整備士がメンテナンスする中古車を運用することでコストを下げている。同社は2008年12月の会社設立以来、全国に約400店のフランチャイズを展開したという。
ニコニコレンタカーでは、乗用車のほか、軽トラ、トラック、バンなど借りられる車のラインアップは6クラス。もっとも安いのSクラス(日産マーチなどの小型乗用車)の場合、12時間以内のレンタル料金が2525円となる※。
同社では「1日1店舗のペースでフランチャイズが増えている。レンタカーの利用状況を見ると、出張や旅行に出かけた先でレンタルする人と自宅周辺でレンタルする人の割合は6:4。格安の料金や使い勝手の良さが知られてゆけば、日常的な使用がさらに増えるはず」とコメントしている。
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