30代の給与が減り続けているが、どうすればいいのか:ちきりん×赤木智弘の“ちゃかす”が正義(8)(1/3 ページ)
ビジネスパーソンの年収減が止まらない。ある調査によると、10年前の35歳の平均年収は500万円台だったが、今は300万円台に。30代の年収が急激に減少しているが、こうした事態にどのように対応すればいいのだろうか。
「給与がなかなか上がらないなあ……。というより減り続けている」というビジネスパーソンも多いのではないだろうか。ある調査によると、10年前の35歳の平均年収は500万円台だったが、今は300万円台に落ち込んでいる。30代の年収減に歯止めがかからない状況に対し、匿名ブロガーのちきりんさんとフリーライターの赤木智弘さんはどのように考えているのだろうか。
赤木智弘さんのプロフィール
1975年8月生まれ、栃木県出身。長きにわたるアルバイト経験を経て、現在はフリーライターとして非正規労働者でも安心して生活できる社会を実現するために提言を続けている。
著書に『若者を見殺しにする国 私を戦争に向かわせるものは何か』(双風舎)、『「当たり前」をひっぱたく』(河出書房新社)がある。ブログ「深夜のシマネコ」、Twitter「@T_akagi」
今の日本経済は“不全状態”
ちきりん:日本経済は今、ものすごくヒドいのですが、わたしはやりようによってはもう一度成長できるのではないかと思っています。
赤木:そう思いますね。今の日本経済は、いわゆる“不全状態”。企業は正社員だけを囲っていて、その他の契約社員や派遣社員は決定権を持っていない。このような状態は効率的ではないと思っています。
ちきりん:前回、赤木さんは「雇用が流動化するような仕組みを作ることが必要だ」と話していましたが(関連記事)、日本経済が成長するためにはほかにはどのような条件が必要だと思いますか?
赤木:まず社会保障を明確に整備することですね。自分の生活のために働くということは、実は一番ムダなこと。自分の生活のために労働にしがみつくことは、流動性をはばむ要因になってしまう。例えば1年のうち8カ月働いただけで生活が成り立つほうが経済は成長するのではないでしょうか。
しかし現実は、全員が1年12カ月働き続けている。
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