30代の給与が減り続けているが、どうすればいいのか:ちきりん×赤木智弘の“ちゃかす”が正義(8)(3/3 ページ)
ビジネスパーソンの年収減が止まらない。ある調査によると、10年前の35歳の平均年収は500万円台だったが、今は300万円台に。30代の年収が急激に減少しているが、こうした事態にどのように対応すればいいのだろうか。
クビになるか、給料を減らされるか
赤木:世界全体で見れば、経済は成長を続けています。なぜなら世界全体の裾野(労働力)が広がっているから。
ちきりん:グローバリズムというのは、経済的に裕福な国とそうでない貧しい国の差を利益につなげる動きですよね。貧しい国は労働者の賃金が安いので、そこでモノを作って利益を出している。いわゆる“アービトラージ”(同じ価値を持つ商品の価格差を利用して、利ザヤを稼ぐ取引のこと)しながら、もうけているのが現状ですね。
赤木:今後、豊かな国の力が少し落ちる一方で、貧しい国が力を持つ可能性が高いですね。ただ、だからといって両者の関係がフラットになるとは思いません。
ちきりん:わたしも世界経済は成長を遂げていくと思うのですが、日本は取り残されていくと思っています。少し悲観的すぎますかね(笑)。
赤木:貧しい国にならないためにも、日本は労働力の裾野を広げなければいけないでしょう。
ちきりん:労働力の裾野を広げるということは、いわゆるワークシェアリングのことですか?
赤木:そうです。
ちきりん:そうすると、大企業または中堅企業で働く40代以上の正社員の仕事を引っぺがすか、給与を下げるということですよね。
赤木:NHKと三菱総合研究所の調査※によると、10年前の35歳の平均年収は500万円台でしたが、今は300万円台。30代の年収が急激に減少しているので、それを全体で分けましょうという話です。
ちきりん:となると「中高年のリストラを簡単にできるようにしよう」というのが最も有効な方法になりますね。
赤木:そうですね。彼らはこれまでオイシイ部分を食べてきてきた。もし「給与を減らしましょう」といっても、かなりの抵抗があるはず。なので「クビを切られるのがいいのか、給与を減らされるのがいいのか、どっちがいいのか?」という決断を迫ってもいいかもしれない。
→続く。
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ちきりんさんのプロフィール
兵庫県出身。バブル最盛期に証券会社で働く。米国の大学院への留学を経て外資系企業に勤務。2010年秋に退職し“働かない人生”を謳歌中。崩壊前のソビエト連邦など、これまでに約50カ国を旅している。2005年春から“おちゃらけ社会派”と称してブログを開始。Twitterアカウントは「@InsideCHIKIRIN」
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