オリックス自動車、日本ユニシス、イード、ジェーシービーは10月13日、共同提案していた「電気自動車(EV)による日本版Autolibに関する技術開発」が環境省の2010年度地球温暖化対策技術開発等事業に採択されたことを受け、大阪府の協力のもと、2011年1月に電気自動車共同利用事業プロジェクトを発足すると発表した。
Autolibは、フランスのパリ市と27の市町村が2011年内に開始を予定している乗り捨て可能な「EVカーシェアリング事業」。路上のステーションから、24時間365日いつでも無人でEVの貸出・返却を行うことができるようになるという。
同プロジェクトは、大阪府が進める「大阪EVアクションプログラム」の一環として、フランスのAutolibのようなEVに関わる新サービスを社会インフラの1つとして構築しようというもの。4社は同プロジェクトを通じて、日産自動車のEV「リーフ」用のカーシェアリングシステムや、大阪府が構築を推進している「おおさか充電インフラネットワーク」を利用した際に、貯めたポイントをさまざまな商品やサービスに交換できるエコアクションポイントが付与される仕組み、EV利用時に目的地までの走行距離や充電場所といった情報をスマートフォンで入手できるシステムなど、EV社会の到来に向けた各種サービスを開発する。
技術開発における役割については、オリックス自動車は充電インフラシステムと連携したカーシェアリングシステムの開発、日本ユニシスは各システムと連携した充電インフラシステムの開発、イードは充電場所情報提供システムの開発、ジェーシービーはエコアクションポイントとの連携をそれぞれ分担し、大阪府は各種コーディネートなどを担当する。
プロジェクトは3年計画で、プロジェクト開始後すぐに(2011年2月まで)12台のリーフを導入し、3年後(2013年2月まで)には約50台まで増車する計画。また、2011年度以降にワンウェイ(乗り捨て)利用の実証実験を行うなど、利便性を高めるためのサービスを開発していく計画だ。
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