「仕事を任せない上司」に腹を立てている若者へ(2/2 ページ)
「仕事を任せられない上司が増えている」という発言を耳にした筆者。なぜ上司は仕事を任せられなくなったのか。その原因として2つのことが挙げられると筆者は主張する。
仕事を任せられない上司が増えているワケ
こういう当たり前のことはさておき、「仕事を任せられない上司が増えている」というのであれば、その現象について考えてみると、その原因として2つのことに思い当たります。
1つ目は「昔ほど人数当たりの仕事の量が多くないので、部下に任せる必要がない」ということ。経済成長が鈍化して、企業においても仕事の絶対量が増えない中、ITによる効率化も進み、ひょっとしたら専門分化が進んで、すぐに任せられる業務が減っているという面もあるのかもしれませんが、部下に任せるような仕事がどんどんなくなってきているのではないでしょうか。
昔なら、仕事量もどんどん増え、会社が大きくなっていく過程で面倒な雑務や手続きや作業も増大していくので、気持ちは別として部下に任せざるを得なかったのが、そういう環境ではなくなったということです。
2つ目は「メンバーを育成するという意識が希薄になっているのではないか」ということ。仕事を任せるというのは、別に忙しくて手が回らないからというだけではなくて、やってみさせて経験を積ませて育てたいからという理由も大きいわけです。
プレイングマネジャー化が進んで、メンバーのことより自分のことに視線が向くようになったこと、また、業績も厳しいので、「将来のことより、今すぐに上がる成果は何か」というようなことばかり考えるようになって、人材育成という課題の重要性が低下してしまったとすると、仕事を任せない上司が増えるのも成り行きとして自然なことだと思います。(川口雅裕)
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