コラム
“細胞まで生かせる”冷凍技術、CASの秘密に迫ってきた:郷好文の“うふふ”マーケティング(3/3 ページ)
冷凍食品でも、解凍した時に生の風味を維持できるようになるという技術「CAS」。その技術を開発した株式会社アビーの大和田哲男さんに、その実用性や応用の可能性について聞いてみた。
日本の生き返りのために
冷凍食品に限らず、これまでの食品生産・流通は、サプライヤー視点や流通業者の都合が強すぎた。おいしさより売り方優先の結果が、スーパーでの“冷食5割引きセール”、灰汁の出る牛肉、生臭いマグロ、味覚音痴の国民の増加である。しかも、農業・漁業は壊滅の危機に瀕している。食べ物と人の命はつながっている。みんな自然の恵みで生きているのに、ビジネスとなるとそのことを忘れがちだ。
何とかしたい。私は過去に取材した「野菜にこだわる長島農園」「温暖化に強いみどり豊」「うまい豚にこだわる豚お姉」とCASを組み合わす提案をしようと思った。食だけでなく“保存技術”としてピンと来た読者は、ぜひ大和田社長に連絡していただければと思う。
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