「ネットの中心で、『金をくれ』と叫ぶ」とナンボになるか?(2/2 ページ)
先日、米国のコメディアン・クレイグ・ローウィンさんが、動画投稿サイトYouTubeで100万ドルをおねだりし、実際に100万ドルを獲得したと、世界中で話題になった。実は日本でも「金くれ」と叫んでいる人たちはたくさんいる。
広がる“振り込めない”詐欺
ネット社会では「振り込めない詐欺」というタグが広まっているのをご存じだろうか。ニコニコ大百科の解説から抜粋すると、「2008年2月24日にMikuMikuDanceが無償で公開されると、『こんな素晴らしいものが無料だなんてありえない』『販売するべき』『寄付させて』『振込先を教えて』というコメントが相次いだ。しかし、作者は寄付を含めて一切の金銭の受け取りを断ったため、『振込め詐欺』をもじって『振り込めない詐欺』タグが付けられたようである(2008年2月26日深夜2時ごろと思われる)。以降、自発的にお金を払いたくなるほど素晴らしい動画やツールを、あえて無償で公開している場合に、このタグが使用されることが増えるようになった」とある。
ネットの中には、「やり場のない感謝の気持ち」や、「行く当てのない伊達と酔狂」が渦巻いているのだ。それらは、あるキッカケがあればお金に化ける。
しかし、前述の「金くれ」サイトには、「やり場のない感謝の気持ち」や「行く当てのない伊達と酔狂」を受けきるセンスがない。次世代ネット乞食プラットフォームにのって「乞食」をしていては、それは、ただの「無心」である。押し貸し詐欺に会うのが関の山である。もし「ネット乞食」をまっとうしたいのであれば、前述のコメディアン・クレイグ・ローウィンさんやフリーライター氏のように、1人で戦うだけの愛嬌(あいきょう)と知恵を身に付けるべきである。(中村修治)
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