ワコールに聞く、キレイなおっぱいのために必要なこと:郷好文の“うふふ”マーケティング(3/3 ページ)
オンナの憧れであると同時に、オトコの夢でもあるキレイなおっぱい。どうすれば、手に入れることができるのか。ワコールの調査によると、「測る」ことがカギになるのだという。
45年間の計測から分かったこと
さて、ワコールが1964年からの計測に使っている手法とは“マルチン計測”である。ドイツで開発された人体計測法で、専用計測器を使用して、アンダーバストやトップバストだけではなく、身体の各部159カ所(!)をくまなく記録する。毎年約1000人を測り、うち200人の女性には30年以上連続で体型変化を追う。彼女たちはもう50〜60代になっている。
そういえば最近のアラフォーやアラフィフの女性、キレイで若々しい人が増えた(気がする)。10歳若く見える女性が知人にもゴロゴロいる。だから、「きっと体型は45年前に比べてずっと良くなっているはず」と思って猪熊さんに聞くと、意外な答えが返ってきた。
「正確な分析をしたわけではありませんが、数値上はそんなに昔と変わっていないようなんです」
むむ、そんなに変わっていないのか。では何が変わったのか?
「弊社のビューティアドバイザーによると、下着の“買い方”が変わってきたようなのです。これまでは『パーティの下着はどれ?』とか『旅行に行くときの下着は?』といったアドバイスを求める人が多かったのですが、『ダイエット中の下着は?』とか『出産後の体型変化を戻したい』といった、下着と自分のシルエットを結びつける女性が増えてきたようです」
なるほど、体型を維持したい人が増えているのか。
男たちよ、愛する人のサイズを知ろう!
最後に猪熊さんはこんなことも教えてくれた。
「フランスの男性は妻のサイズを知っているので、下着をプレゼントできるんです」
さすがはフランスの男! 粋だ。
煩悩の雲が晴れてきた。サイズぴったりでアップするのはバストだけじゃない。心の中の美意識もアップするのだ。ならば、女性の心がより美しくなるよう、男性側からの1つのキャンペーンを提案してみたい。
「男たちよ、愛する人のサイズを測ろう!」
メジャーを持って、妻や恋人の身体のサイズを採寸させてもらう日を作りたい。店舗の採寸・試着に恥ずかしがらずに立ち会って、測り方を教えてもらおう。おっぱいへの敬意を払うため、10月1日のピンクリボンの日から1カ月、サイズを知ろうキャンペーンを張ってはいかがだろうか。
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