「第2新卒」の転職がうまくいく人、いかない人:吉田典史の時事日想(3/3 ページ)
「大卒の3割は3年以内に辞める」と言われるようになって久しい。会社を早々に辞めた彼らが挑むのが第2新卒採用だが、そこで成功する人と成功しない人との間にはどんな違いがあるのだろうか。筆者は3つのポイントを指摘する。
雇うか雇わないかの判断基準
一方で、高学歴であったとしても新卒の段階で競争倍率の低い企業や業界内でのランキングが低い企業にしか入れないと、その人の価値は確実に下がる。少なくともそこの企業よりも業績やブランド力が上に位置する企業の人事部は、その高学歴の人を高く評価しないだろう。
人事担当者らが、第2新卒の試験で雇うか雇わないかを判断するときには、18〜20歳の頃の大学入試の学力よりも、21〜23歳前後の新卒の段階での「市場評価」に重きを置くことは間違いがない。
では、自分が進もうとする方向とは違う職場で現在、働いている人はどうすればいいのか。例えば、「出版社で営業の仕事をしているが、本を作る編集者になりたい」という場合である。そこの会社で、編集者への人事異動ができるならばそれに挑戦してみるべきだ。だが、その異動を認めていない企業もある。それでも、「編集者になりたい」と願う人はいる。
率直なところ、この場合は第2新卒の採用試験では苦しい闘いを強いられると思う。さらに年齢との闘いもある。つまり、27〜29歳になると、中途採用のステージに進んでいくことになる。このような場合は、前途は厳しい道になるかもしれないが、今の営業の仕事を辞める、つまり、現在の会社を辞めて早く第2新卒としての採用試験を受けるべきと思う。理想をいえば、現在の会社に籍を置きつつ、密かに採用試験を受けることだ。
最後にこれも述べておきたい。新卒の段階でいい加減な就職活動をした人は、運よくどこかの会社に入社することができて数年働いても、自分が進むべき道が見つからない可能性がある。私は、仕事観なるものは新卒の頃から悶々としていた思いが数年後に具現化したものである、と思う。新卒時で真剣に考えなかった人が入社後わずか数年で見つかるような進路は、たいしたものではないはずだ。だからこそ、学生のころから大いに悩むべきと私は思う。
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