ソーシャルでの不評を挽回できるか? ウォルマート、最後の一手(2/2 ページ)
国内店舗の売り上げが2年連続で減少と、不調にあえぐウォルマート。起死回生を賭け、ソーシャル・メディアのスタートアップ企業であるコズミックスを買収し、「店舗+Web+モバイル」の戦略に乗り出した。
起死回生を賭けたウォルマートの「最後の一手」
コズミックス買収と同時に、ウォルマートは「@WalmartLabs(アット・ウォルマートラボ)」という新規部門の立ち上げを発表しました。@WalmartLabsは、ウォルマートのマルチ・チャネル戦略を支えるソーシャル/モバイル・コマース・テクノロジーおよび事業を開発する部門であるということですが、現コズミックスがその基盤となり、ハリナラヤン/ラジャラマン両氏は同部門の指揮的存在として力量を発揮することが期待されています。
「eコマース発展の歴史の中で、我々は1つの転換期にある。Eコマースの第1世代は、店舗をWebに持ってくるということだった。しかし、eコマースの第2世代は、店舗、Web、モバイルをすべて活用し、それらが融和したエクスペリエンスを築くということになるはずだ。そして、その『融和したエクスペリエンス』の軸となるのが、ソーシャル・アイデンティティということになる」
ウォルマートによる買収が発表された直後、ラジャラマン氏はコズミックス社の公式ブログに上のように書きました。「ソーシャル・アイデンティティ(ソーシャル・メディア上に表現され、組み立てられる個々のアイデンティティ)を軸に、店舗、Web、モバイルを融和したショッピング・エクスペリエンスを築くこと」が、ウォルマートが同氏に課した課題ということになるのでしょうか。
ウォルマートにソーシャルを足すと何ができるのか?
その答えはまだ不透明ですが、ハリナラヤン/ラジャラマン両氏が率いるコズミックス/@WalmartLabsの行方が、ソーシャル時代におけるウォルマートの未来を背負っていると言えそうです。この2人の天才の力を借り、ソーシャル時代の波に乗ることが、起死回生を賭けたウォルマートの「最後の一手」であり、これに失敗すればもう後はない、という切羽詰まったところにまで来ているのかもしれません。(石塚しのぶ)
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