厳しい就職戦線、そして入社前には東日本大震災も経験した今年の新入社員。経営者は新入社員にどんなことを期待しているのだろうか。
リンクアンドモチベーションの調査によると、企業経営者に「新入社員に求める素質」を尋ねたところ、「コミュニケーション能力」が52.8%でトップ。以下、「主体性」が38.0%、「課題解決力」が29.8%で続いた。
一方、「会計知識」(0.7%)や「PCスキル」(2.3%)、「語学力」(3.3%)や「業界に関する専門知識」(3.3%)といった知識はそれほど求めておらず、リンクアンドモチベーションでは「経営者は入社してからでも学べるようなスキルよりも、『コミュニケーション能力』や『主体性』、『課題解決力』などの社会人として本質的な“生きる力”を強く求めていることがうかがえた」とコメントしている。
ちなみに「中堅社員とベテラン社員に求める素質」についても聞くと、双方ともに「リーダーシップ」と「課題解決力」が上位で、「論理的思考力」「コミュニケーション能力」が続いた。
今の大学入試のシステムで、ビジネスで活躍する人材は育たない!?
また、リンクアンドモチベーションでは、モチベーションアカデミア※からの依頼により、経営者が求める素質を高校生から育む必要性についても調査した。
「今の大学入試のシステムで、ビジネスで活躍する人材が育つと思う(やや含む)」とした割合は16%と、「思わない(あまり含む)」の84%を大きく下回った。
では、どんなことを学ぶべきなのだろうか。「高校卒業までに身に付けておいた方が良いと思う素質」を尋ねると、「コミュニケーション能力」(56.4%)と「一般常識」(48.2%)が上位。以下、「論理的思考力」が33.1%、「主体性」が31.5%、「語学力」が30.2%、「ストレス耐性」が23.6%で続いた。
インターネットによる調査で、対象は企業経営者305人。調査期間は4月9日から12日。
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