コラム
大企業病の原因は“ロジカル”なオヤジたちにあり(2/2 ページ)
論理の正しさを大切にする、経験豊富な男性幹部。しかし、彼らの思考そのものが組織を非活性にしているのではないだろうか? ビジネスなど複雑系における判断・決断では、論理以外に判断・決断する観点や基準が必要とされることも多くあると筆者は主張する。
前例や他社事例を重視すると、イノベーションの芽をつみ取る
また、論理の正しさを大切にする人は、自社における前例や他社事例を重視します。何がしたい、こうあるべきと考えるよりも、結果を振り返って分析することのほうが確かであり、正しさを導きやすいからです。だから、連続性のない新しい取り組みや、間違いとは言えない前例を変えることに思いが及びません。ちょっとした試みレベルのことでさえ、自らの論理が揺らぐのを恐れて、取り組もうとしません。イノベーションの芽さえ感じられない組織になるのは自明のことです。
さらに、論理の正しさを大切にする人は、組織図や権限分掌を重視します。ほぼ全ての会社で、組織図は“ロジックツリー”になっていますが、それに則って、自部署の役割や範囲に限定して仕事をし、それを超えるものは上位者の仕事だと論理的に考えます。
仕事は関連しており自部署で完結していないし、部署間でお見合いをしていたり押し付けあったりしている仕事もあるのに、それらを認めると組織のロジックが崩れるので手を出さない。セクションと権限に基づいて仕事をするのであれば、セクショナリズムになるのは当たり前のことです。(川口雅裕)
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