コラム
“考えて仕事をする”組織はどうすれば作れるのか(2/2 ページ)
従業員が「考えて仕事をしていない」「何も考えずにやっている」、とぼやく経営者が多いという筆者。どうすれば、思考の入った仕事が行われるようになるのか。それには5つの条件があると筆者は主張します。
問題は“思考力を失わせてしまっている環境”
仕事をする環境が、そのような状態にあるのかどうか。つまり経営者は、従業員の思考力がないこと、従業員が思考しないことを問題とすべきではなく、“思考力を失わせてしまっている環境”を問題としてとらえるべきです。
例えば「絶対の答えを持つ人はいないという前提」。トップや上司が、今の立場を笠に着たり過去の経験にものを言わせたりして、まるで工場でモノを検査するように現場の仕事を「ヨシッ」「ダメッ」とやっていると、絶対者に採点されるわけですから答え合わせをするような腰の引けた仕事ぶりになっていきます。
絶対者の意向やイメージや好みをくみ、探り、その通りにやることは思考停止そのもので、これに横並びが重なれば、見事な思考停止会社のでき上がりとなります。思考する組織を作るには、これ以外の「目的」「基準」「裁量」「賞賛・寛容期待」といった観点からも、制度・ルール、コミュニケーション、マネジメントを見直すことが必要です。(川口雅裕)
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