なでしこJAPANがもっと強くなるように、4つの施策を考えてみた:郷好文の“うふふ”マーケティング(3/3 ページ)
女子ワールドカップで劇的な優勝を果たしたなでしこジャパン。テレビ番組などでの露出が増えたり、国民栄誉賞が与えられたりするなど、人気がフィーバー状態となっているが、この盛り上がりを一過性のものにしないようにするためにはどうすればいいだろうか。
女子プレミアリーグへの収益処方せん
オトコ客目当ての“プリティリーグ”ではなく、クオリティが高いプレミアリーグ。サッカー好きの女子に夢をあたえ、観戦をエンジョイしたい女性を感動させる。女子が女子のプレーをハイレベルで楽しめるエンターテインメント。決して無理ではない。今だってJリーグの観客の40%は女性。なでしこでは70%以上を狙いたい。そのための提案をしよう。
1.なでしこ巡業制
なでしこリーグはJリーグのように地域フランチャイズ制だが、後援企業も地域支援も厚くない現状でのホーム&アウェイは正直キツい。そこで、大相撲の巡業制に似たシステムを導入する。
9チームの各フランチャイズ地域をベースに、ある時は神戸、次は新潟、次は仙台など開催地を巡業する。4〜5試合を1地域で1〜2日で開催。同一スタジアムで昼夜開催や近隣スタジアムで時差開催すれば、サポーターは複数試合をハシゴして澤も丸山も観られる。
無料試合はなくなり、観客収入が増加する。集中開催ならテレビ中継や報道陣の取材もしやすい。映像販売も増やせる。全試合観戦のお得なチケット販売もできるし、地域の商業も潤う。知名度が全国区になったからこそ地方巡業が生きる。チーム数が少ないので、当たりやすい「なでしこtoto」も発売しよう。
2.ガールズスタジアム
施設面では「オトコスタジアムよさらば。“ガールズスタジアム”へようこそ」。スタジアム施設も女子目線で見直す。
女子観客をにらんで、女子トイレを行列ができないほど作る。また、フードサービスも即席麺なんてやめて、ヘルシーでおいしいをテーマにベーグルや五穀米おにぎり、フォーやタイカレー、スイーツをそろえよう。“スポーツファッションモール”もいい。ありきたりなTシャツやタオルではなく、スカーフやミサンガを売ろう。
3.クリニックでは神の足技を
巡業ではもちろんサッカークリニックを開催する。そこでは、あのアウトサイドボレ―を生み出した“神の足”の真髄を教えるのだ。あのゴールで全国の少女数百人が「サッカーをやろう」と誓った。その瞳の火を絶やさないよう、ニアへ走り込んだ神の技を教えよう。有名選手のマネがサッカーの原点なのだ。
4.女子のことは女子で
なでしこ収益化のポイントは「女子のことは女子でやろう」。オトコ目線ではマーケティングも汗臭くなる。だが、日本女子サッカーリーグ協会の理事や委員は半分以上が男性。上部団体の日本サッカー協会に至っては現在ゼロ(以前は伊達公子さんがいた)。
女子サッカー大国の米国に追いつき追い抜くため、そのカギとなるのは米国を知る澤穂希しかいない。ダイレクトボレーのような、とてつもないことをサッカー普及でもやってほしい。お願いします!
筆者よりお知らせ
以前の記事「若者よ、ストップモーションから抜け出そう!――夢を応援基金CM」で触れた被災地学生の学費支援の奨学金支給が決定しました。2400人の応募者のうち、被災状況や経済的困窮の高い生徒1097人に支給されるということです。
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