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“レディー・カガ”に続け! 温泉地を沸騰させるプロモーション:郷好文の“うふふ”マーケティング(3/3 ページ)
絶妙なダジャレで日本の一部を震撼(?)させた、加賀温泉郷の“レディー・カガ”キャンペーン。震災や原発事故で観光客が減少する中、温泉地はどのようにプロモーションすればいいのだろうか。
わしづかみの“これでしょ”
レディー・カガには、一瞬で心をわしづかみにしてしまう「これでしょ」がある。一方、イベント企画やお土産開発、キャラクター開発は「これでしょ」から始めずに、策からやってしまっている。
資源を探してそれを生かす。そのアプローチは間違っていない。しかし、温泉地をクンクンして観光資源を集めるうちに、魅力の本質を見る目に湯あかが付いてしまう。にごり湯の底に印象が沈殿してしまう。「調査→企画→開発→販促」という“マーケティングアプローチ”には限界がある。メタ(超越)マーケティングでないとダメなのだ。
加賀を歩く。駅にも店にもホテルにも旅籠にも「おお、美人が多いな」と美人好きなら感じるだろう。問題はその先だ。そこにLady Gagaを持ってくるのは、湯煙を離れないとできない。自分の世界観を持っていること、その中で「つまり……これでしょ」と言えること。顧客視点さえ越えた“メタ視点”が必要なのだ。
さて、温泉地を斬新なアートで彩るメタ視点を出せるか……少し心もとない。だが、企画センスのある相棒cherryさんがいる。「どこから発想が出るの?」と聞くと、「分かりませんけど、眠っている時、私は白目をむいているらしい」と言う(笑)。メタな視点はマトモな目線では出ないのだ。
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