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ウエディングの販売戦略から“強みの生かし方”を学ぶ(2/2 ページ)

「思い出」「感動」「最高の1日」といったあいまいな言葉を使って、強みを訴える結婚式場はよくあるもの。そんな中、ある企業では、結婚の前にあるプロポーズに注目して、自社の強みを分かりやすく伝えているようです。

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結婚式の前の段階のプロポーズに着目

 このポジティブドリームパーソンズのプロポーズ広告のプレゼントキャンペーンは、結婚式よりも、その1つ前にあるプロポーズに着目しています。この着眼点が非常に面白いと思います。

 結婚はプロポーズがありきなので、プロポーズして成功したらその後は結婚式になります。つまり、プロポーズに成功した顧客=見込客というわけですね。そして、通常の場合、プロポーズの後に結婚式場選びが始まって、その時にどこにしようか比較検討することになります。

 この比較検討の段階で「強み」を各式場は生かそうとするのですが、上述した通りうまく伝わっていない場合が多いでしょう。

 しかしながら、このポジティブドリームパーソンズのプロポーズ広告のプレゼントキャンペーンは、プロポーズの段階で「新聞広告を活用したプロポーズという感動」を実現しているので、まさに強みを「先に体感している」という状態にあると言えるのではないでしょうか?

 その結果、ポジティブドリームパーソンズは「自社の強みである感動」をどの競合よりも先に、顧客に「体感」してもらえるわけです。

 顧客から見た時、「この会社に結婚式を任せればプロポーズの時のような感動が得られるのか!?」と理解しやすいですよね。これこそが、強みを体感してもらって伝えるという具体策の1つだと思います。しかも、顧客への満足度向上なども同時に実現しているわけですから、すごいことです。

強みを説明する? 体験させる?

 強みが見えないもの(感動や喜び、笑顔など)である場合、それを一生懸命に伝えようと努力するわけですが、しょせん見えないものです。そのため、顧客の声や事例などを紹介したりしますが、顧客から見れば他人事なので、なかなか伝わりません(顧客の声や事例紹介を否定しているわけではありません。もっとよい伝え方があるのでは、と言っているだけです)。

 だからこそ、顧客が実際に商品を購入する前の段階で「その強み」を体験してもらえるような、販売戦略を考案することが重要ではないか、もしくはそういうやり方もあるのではないのか、と思うわけです。まさに「百聞は一見にしかず、百見は一行にしかず」ですね。

 もしかしたら御社の製品でも「購入前に何かしらの段階」があるかもしれません。それを考え、見出し、その段階で「御社の強み」を体感してもらうということはできないでしょうか? そこから「売れる売り方」を考えていくヒントが見つかるかもしれませんね。今回の事例はこういったことに気付かせてくれる、すばらしい販売戦略だと思います。(荻野永策)

 →荻野永策氏のバックナンバー

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