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日本の財務危機、誰がリーダーシップを発揮するのか?藤田正美の時事日想(2/2 ページ)

民主党の「社会保障と税の一体改革調査会」が社会保障改革素案に盛り込む内容を公表したが、結局、国民の負担を増やす改革は軒並み先送りになった。その一方、国債を取り巻く環境はどんどん厳しくなっているが、誰がこの状況を打開するのだろうか。

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誰が国民を説得するのか

 さらにこの調査会は、今週から消費税増税について議論をするのだという。そして党内には増税に慎重な声も相変わらず強い。もちろん景気がよくないときに増税すればさらに景気を悪化させるというのはその通りだ。実際、1998年の橋下政権で消費税の引き上げを行って、結果的に景気を腰折れさせてしまったという事実があるから、増税のタイミングが重要だというのは理解できないではない。それに増税する前にやることがあるだろうというのも感情としては理解できる。

 それでもどこかで増税しなければ、やがてギリシャやイタリアのようになることは火を見るより明らかだと思う。どれだけ強い意思と明確なビジョンを掲げて国民を説得できるかが問われているのだが、残念なことに民主党にそれを求めても無理だと思う。民意という呪縛にとらわれている限り、変革期に先を見通した政治は生まれないからである。そしてこういう時には得てしてポピュリストとデマゴーグが一緒になったようなリーダーが現れることがある。それは歴史が示すことだ。

 悲観的すぎるのかもしれないが、われわれに残されている時間はそう多くはない。いろいろな人の意見を聞くと、短い人で2年と言い、長い人でも5年と言う。日本国債に危機は来ないと言った人は、残念ながら1人もいない。

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