大虐殺は昔の話、ルワンダで環境専門家として働くということ:世界一周サムライバックパッカープロジェクト(4/4 ページ)
映画『ホテル・ルワンダ』で1994年の大虐殺を思い出す人が多いだろう東アフリカの国、ルワンダ。しかし、環境分野の支援を目的にルワンダにやってきた三戸俊和氏によると、現在、ルワンダはアフリカで最も治安の良い国の1つであるという。
日本では見ることのできない光景が
三戸さんは僕を廃棄物最終処分場に連れて行ってくれました。そこにはゴミで作られた大地で生活するスカベンジャーと言われる人たちが住んでいたり、近所の子どもたちがその日の夜に調理に使うための燃料として、紙類など燃焼できるモノをゴミ山から発掘していたり。なかなか日本で見ることのできない光景がありました。
三戸さんは頻繁に通っているために、彼らからも認識されていて、信用されているようでした。元来の滞在期間を越えて、自らのキャリアを大幅に変えて、現地の人との交流を大切にし、アフリカの大地への挑戦と、社会への貢献を掲げる三戸さんだからこそ、彼らからも信用されているのではないかと思えました。
そして三戸さんの話から学べることが多過ぎて……。特に印象に残る部分は、「先が見えない生活に不安を持つようではアフリカに長くは住めない」という部分。誤解してはいけないのは、決して「先を気にする必要がまったくない」というわけではなく、「突如の変化にも恐れず、臨機応変に対応をしていく姿勢を持つこと」だと解釈します。
これはアフリカに限らず、日本においても変化を恐れずに対応をしていくことは、強く求められているのではないかと思われます。
また、「『海外に興味を持つべきかどうか』といった次元での検討はやめた方がいいと思います」という三戸さんの言葉には大変考えさせられます。時代は変わったのだと旅をしていても実感できます。
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