丸の内iiyo!!から見えてきた“東京ハシゴタウン”構想:郷好文の“うふふ”マーケティング(3/3 ページ)
3月2日にオープンした商業ゾーン「丸の内iiyo!!」では、店同士がコラボして、お客さんが利用しやすいようにしている。この仕組みを応用すれば、東京全体の活性化につながるマーケティングもできるのではないかと筆者は提案する。
東京ハシゴタウンの提案
例えば、この巨大迷路地下街をご存じだろうか?
「八重洲→東京駅→二重橋→有楽町→日比谷公園」まで地下道一本で突っ切れる。老舗の明治屋でジャムを買い→八重洲地下街をぶらりと→東京駅地下で鱒寿司を買い→丸の内へ抜けてブティック見物→三菱一号館でアート鑑賞→皇居前のベンチで寿司ランチ→地下にもぐって有楽町で逢いましょう→締めは日比谷公園のオープンカフェ……とか。
神保町の古書店巡りから、都営地下鉄で馬喰町へ「東京文化ハシゴ」。今、旬のアートの集積地は日本橋にある。手作り好きなら浅草橋のシモジマ巡りからJRに乗って、西日暮里の繊維街巡りへ「東京手作りハシゴ」。新大久保で韓国料理を食べて三鷹の森ジブリ美術館へ行くのは、アジアから空想タウンへの「東京異国ハシゴ」である。原宿→銀座→秋葉原のルートは「東京ガイジンハシゴ」。1日で世界10数カ国以上のガイジンと会えるはずだ。アキバメイドや原宿ストリートギャルもある意味異国人だし。
東京スカイツリーという単独で集客ができる施設でも、墨田区は江東区と共同で東京ゲートブリッジとスカイツリーを水上バスでつなぐコースを設定する。水辺で施設をつなぐとさらに面白いだろう。開発主体・組織の壁を越えて、街と街をハシゴさせるマーケティングを実施しよう。
- 街をハシゴするための共同Webサイトやリーフレット
- 離れた街の店をまたぐスタンプやポイントカード
- 離れた店と店の品物を組み合わせる買い物の提案
- JRや東京メトロの車内広告で街を行き来させる遊びの提案
- 町と町をつなぐラッピングバスでハシゴ客を乗降させる
- 街と街をつなぐ限定商品の開発
地下鉄路線やストリートを「顧客動線」と見立てる。「買い回り」ではなく「買い合わせ」のヤドカリ消費を考える。東京ハシゴタウンはイマジネーション次第で楽しくなる。
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