コラム
ビジネスパーソンの「3つの寿命」(2/2 ページ)
平均寿命が世界トップクラスの日本。しかし、ビジネスパーソンは、平均寿命や健康寿命に加え、労働寿命と貢献寿命と成長寿命を意識すべきだと筆者は言う。
ビジネスパーソンは成長寿命を延ばすことを意識せよ
基本的に、定年の法制化は雇用における年齢差別である(雇用と年齢は関係がないという趣旨で、求人票に年齢を記載するのを禁止するのであれば、定年を就業規則で定めるのも禁止するのが一貫性のある姿勢というものだ)と思う。しかし、年金財政の逼迫(ひっぱく)度合いを考えれば受け入れるしかないとすると、60歳になっても組織に貢献できるような育成や配置を行うことによって、“貢献寿命”を延ばすよりほかに方法がない。
“貢献寿命”が60歳を前に終わってしまうという現実は、企業が、採用したら解雇できないという労働規制の存在を知っていたのに、育てる、生かすことに失敗したという面もあるだろう。しかし、ピーターの法則にあるとおり、それぞれ成長には限界があり、出世していってもどこかでそれぞれが能力的限界を迎えて、そのポストに落ち着く。
ビジネスパーソンには、“成長寿命”というものもあるわけだ。成長のための行動を怠れば、早くに“成長寿命”が来てしまい、そうなったらいくら貢献しようと頑張っても難しい。つまり“貢献寿命”も短くなってしまう。“労働寿命”が到来する年齢まで、お荷物にならずに貢献し続けるためには、“成長寿命”を延ばす努力が欠かせないということになる。(川口雅裕)
関連記事
- 中小企業の新卒採用が失敗し続ける理由
一般的に大企業より遅れて採用活動を行う中小企業。「自分たちのような中小企業は、大企業が採用しなかったような学生しか採用できないという、いかにもプライドのない前提に立っているのは、いかがなものか」と筆者は主張する。 - 「成長したので昇進させたら失敗した」となる理由
企業人事において、「任せられる」「成果が出ている」「自信を持っている」という状態を見て、十分に成長したと判断し、上の階層に昇進させたら、全然ダメだったということがよく起こります。これは、なぜ起こるのでしょうか。 - リクルート「就職人気企業ランキング」の公表取りやめを歓迎する
リクルートが今春から「大学生の就職志望企業ランキング」の公表を取りやめる方針を明らかにしたという。「行列ができる店はウマイのだろう」という発想と同じような就活が、変わっていくための一歩として期待したい。
関連リンク
Copyright (c) INSIGHT NOW! All Rights Reserved.