映画料金が何円なら利用回数は増える? 1000円がポイントに
震災の影響などで、2011年の映画興行収入は前年より20%近くも減少した。映画料金の高さもネックと言われているが、どのくらいの値段になれば映画館に足を運ぼうと思う人が増えるのだろうか。NTTレゾナント調べ。
東日本大震災の影響が大きかった2011年の映画業界。興行収入は前年比17.9%減の1811億9700万円と大幅に減少した。興行収入が100億円を超える作品も出なかったが、消費者は映画をどのくらい観ているのだろうか。
NTTレゾナントの調査によると、直近1年以内に映画館で映画を鑑賞した人は45.3%とほぼ半数であることが分かった。男女別にみると男性より女性、年代別にみると下の年代ほど、映画館で映画を鑑賞した人の割合が高くなっていた。
映画館で観た映画の本数では「1本」(26.1%)、「2本」(22.3%)、「3本」(16.0%)で全体の3分の2を占めていたが、「12本以上」というヘビーユーザーも5.6%いるようだ。
映画料金が何円なら利用回数は増える?
「直近1年以内とその前年の映画館での鑑賞本数の変化」を聞くと、「変わらない」が59.8%と最も多かったが、「減った」が29.9%と「増えた」の10.3%を上回った。
「減った」とした人の理由では「観たい映画がなかったから」が37.7%で最も多く、「映画館まで足を運ぶのが面倒だから」(20.6%)、「自宅視聴の方が楽だから」(20.0%)、「映画料金が高いから」(19.5%)が続いた。
現在、一般的な映画料金は1800円。「高い」という声も少なくないが、映画料金値下げと鑑賞回数の変化について調べたところ、映画料金が1500円になると19.1%が「鑑賞回数が増える」と回答、1000円だと55.3%、800円だと67.6%、500円だと77.5%と変化した。映画料金が1000円以下になると、鑑賞意欲に大きな差が生まれるようだ。
インターネットによる調査で、対象は10〜70代の男女3189人(男性49.8%、女性50.2%)。調査期間は5月23日から28日。
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