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「日本のちゃんと」をマーケティングしていきたい:郷好文の“うふふ”マーケティング(4/4 ページ)
ホンネを言おう。実は私はマーケティングがきらいだ。「マーケティング」という、何をするかイメージしにくい用語も好きになれなかった。
日本のちゃんとを書く
先週末、郊外をドライブした。窓の向こうにどこにでもある日本的な風景が続いていた。
二車線道路、ガードレール、歩道、植え込み、木々や花、お店や家々……。とりたてて写真を撮る風景じゃない。とりたてて何が美しいわけでもない。日本的なトーンの風景が淡々と続く。車が渋滞したせいで、余計似た風景ばかりたくさん見せられた。そこでフト気づいた。
綺麗なのである。どこを見てもゴミも少なく清潔でこざっぱりしている。歩く人にも清潔感がある。ひとことで言えば「ちゃんとしている」のだ。
日本の良さとはちゃんとしていること。ちゃんと事業をして、ちゃんとモノ作りして、ちゃんと物流して、ちゃんと店を運営してきた。ちゃんと組織づくりして人を育ててきた。法律や宗教で強制されるのではなく自らちゃんとやってきた。もの凄い独創は少なかったが「ちゃんと」広めてきた。
「日本のちゃんと」が世界に広まればいい。これは世界各国への差別化だ。そういうマーケティングをもっとちゃんと書きたい。
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