糸井は本当に「メジャー志望」が強くてトレードされたのか?:臼北信行のスポーツ裏ネタ通信(4/4 ページ)
2013年シーズンのキャンプイン直前に日ハムとオリックスの間で決まった大型トレード。日ハムの中心選手、糸井の電撃移籍の背景には何があったのか?
代理人とは自分の分身、肝に銘じて選びたい
ちなみにメジャーリーグの代理人の中には自分の儲けのことを第一に考える余りに「私に任せておけば、すべて安心だから」などと吹聴し、クライアントを意のままにコントロールしようとする悪徳な人物もいる。メジャーリーグを経験した某日本人選手は次のように言う。
「日本プロ野球界で糸井君のように代理人交渉を行っている選手はまだまだ少ないですが、これから先はどんどん増えていくでしょう。メジャーリーグの世界で代理人交渉は当たり前の話ですからね。ただし代理人選びだけは、慎重にしなければいけません。
コミュニケーションがきちんと取れる人なのか、あるいは世間で、たとえ『有能』と目されていても自分と性格が合う人なのか……。これらは単純なことなので見過ごされがちですが、とても重要な要素です。
それに極少数ですが、中には悪人みたいな代理人もいますからね。実際にボクもメジャーリーグへ移籍する際、あるツテで『敏腕だから』と米国人の代理人を紹介されたのですが、いざ雇ってみたら、とんでもない人物だった。ご都合主義でいて、しかも面倒臭がり屋……。球団と結んだ契約内容はズサンそのもので、家族のケアなど細かい面の保障がほとんど記されていなかったのです。
それでいてサラリーだけはキッチリ要求してくるし、最悪でした。プレーよりも、グラウンド外のほうで気苦労が絶えなかったですね。その代理人、もちろん契約解除しましたよ」
プロスポーツだけでなくビジネスの世界や普通の生活においても、交渉事で代理人を立てなければならないケースはある。辞書にも記されているとおり、代理人とは「代有権を有し、本人に代わって意思表示をしたり受けたりする権限を持つ人」。いわば自分の“分身”だ。それは常に肝に銘じておきたい。
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