偽装は食品だけではない! “中国産ニセED薬”には鉄粉やインクが混ざっている:窪田順生の時事日想(2/3 ページ)
中国でネズミやキツネの肉を「羊肉」と偽って販売した業者が摘発された。日本にもたくさんの偽造食品が流入しているので、用心している人も多いはず。しかし警戒しなければいけないのは食品だけではない。実は「薬」の世界でも大変なことが起きているのだ。
中国の「偽バイアグラ工場」
東京都内で、ED薬の個人輸入代行サイトを運営している男性が明かす。
「ウチで扱っているバイアグラとシアリスはアメリカから“個人輸入した正規品”ということになっているが、本当は国内の中国人から買っている。どこでつくられたものかまでは知らないが、たぶん中国国内だろう」
つまり、「アメリカからの個人輸入」という宣伝文句自体が“偽装”であって、実際には「中国産偽造ED薬」を売っているのだ。
いやいや、中国のことだからなにがあっても驚かないよ、という人もいるかもしれないが、ではこの「中国製偽造ED薬」がどのような場所でつくられているかを見てもそう言えるだろうか。
下の写真は、バイアグラを製造・販売する米ファイザー社が提供している中国の「偽バイアグラ工場」の内部写真である。こんな不衛生極まりない中でつくられた偽造薬は、正規品の色を再現するためプリンターのインクなどが原料に使われるという。いや、まだインクぐらいならいい。2011年、中国国内で摘発された117カ所の偽造薬製造組織を調査すると、正規品と同じ重さを再現するため、動物飼料や「鉄粉」を混ぜていたことが明らかになっている。
もちろん、こんなモンを飲んだら身体が異常をきたす。2011年の5月、奈良県で亡くなった50代男性が着ていたポケットから、「シアリス50m」が見つかっているが、正規品のシアリスには「50m」など存在しないので明らかに偽造薬だ。成分を調べたところ、シアリスではなく、バイアグラの成分が正規品の2倍以上も入っていたという。
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