橋下市長どころではない!? カナダにもいた「暴走」市長:伊吹太歩の世界の歩き方(3/5 ページ)
「東洋人は……」と暴言を吐くトロント市長が、橋下騒動と同じ時期に窮地に。ネタ元から2000万円でビデオ提供をほのめかされたニュースメディアがとった金策手段とは?
Gawker編集長が繰り出したネットメディアらしい奇策
そこで編集長は、あることを思いついた。「Gawker」は、ネットメディアとしてそこそこ名の知れたニュースサイトだ。インターネットの影響力を最大限に利用してメディアとして成り立ってきたサイトである。その力を使えばいいのではないか。
編集長はネット上で、大々的にキャンペーンを実施することに決める。読者から公開で募金を集めることにしたのだ。「Gawker」はすぐに特設サイトをオープン(参照リンク)。そして2013年5月27日を締め切りに設定し、20万ドルの獲得を目指した。
「Gawker」は寄付の額によって、特典も用意した。5ドルの寄付には、フォード市長の失言をまとめた電子本をメールでプレゼント。25ドルだと製本された失言集。75ドルの寄付には、「Gawker」のツイッターで、寄付者の名前を入れた感謝ツイート(もちろん匿名希望には応じる)。150ドルなら、同サイトのオーナーのサイン入りカナダ国旗がもらえる。200ドルの寄付には、ビデオからキャプチャしたイメージを同サイトのデザイナーがデジタルプリントにしてプレゼントする(ビデオを入手した場合に限る)。
さらに1000ドル寄付すれば、早い者勝ちで1名に、「Gawker」のスタッフとニューヨークで食事する権利が与えられる。1万ドルの寄付には、ビデオを撮影した実際のiPhoneを1名にプレゼント、といった特典が付いてくる。
すると、この面白い試みに、寄付金はどんどん集まっていく。サイトにある寄付金カウンターは、コンスタントに増えていき、「食事の権利」と「iPhone」のそれぞれ1名もあっという間に決定した。そして締め切り当日の午後4時には、目標の20万ドルを達成した。
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