アップルやマクドナルドは、本当に“悪の帝国”なのか?:小飼弾×松井博、どこへ行く? 帝国化していく企業(1)(5/5 ページ)
弱体化する国家を尻目に、国境を気にせず自らの利益を追い求める“企業帝国”たち。世界が一握りのお金持ちと圧倒的多数の単純労働者に分かれていくなかで、人々が幸せになる方法はあるのか。小飼弾さんと松井博さんが語り合った。
小飼:ネットのおかげで実は我々が口にしてたメディアは“加工食品”だったということがよく分かりましたよね。“生モノ”じゃなくて、加熱調理してた。シリア軍が戦車で人を吹っ飛ばしているところが、生で入ってくるようになった。これを見て、「『戦争って楽しい、美しい』って言えるかお前!?」って。
松井:そうですよね。2007年にバージニア工科大学で銃の乱射事件がありましたが、携帯電話で一部始終を撮っている人がいました。CNNでもその映像がずっと流れてました。「お前、逃げろ!」って思いますよね。あの現場から逃げないでYoutubeにアップするのって、ある意味すごい根性ですよ。
小飼:たぶん国家や企業を監視する目というのはこれで足りるんですよね。だけど、これまではメディア自体が企業帝国モデルでやっていましたから。
松井:やってた、やってた。そのご利益もそれなりにあったのですが、「これなんだかおかしいんじゃない?」といった感じで普通の人がキャッチし始めました。ガセネタも多いですが……。
小飼:ガセネタは企業帝国メディアもいっぱい流してます。
日本もそうなんだけど、米国はそういう層がたくさんいます。見たい現実しか見たくない人たちにとっても、ある意味、暮らしやすくなっちゃった。そういう人たちが自分たちだけで固まって戦争ゴッコをやっててくれれば平和でいいんだけど、法律、ましてや憲法なんかに口突っ込んでくるのは勘弁してほしいなと思いますね。
(つづく)
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