番組を動画サイトにアップ、どう思う? テレビが面白い理由:田原総一朗VS. 水道橋博士のテレビと著作権(後編)(5/7 ページ)
ソーシャルメディアが普及したことでネット上にテレビ番組についての感想や批評を記す人たちが出てきた。テレビ番組の引用はどうあるべきなのか。田原総一朗さんと水道橋博士が語り合った。
番組放送後にも番組を見てもらう
――ソーシャルメディアが普及する前までは、新聞の番組欄などの事前情報を元に皆が同じ時間に同じ番組を見る、という時間感覚が流れていたと思うんですが、今はTwitterで「昨日やっていたあの番組が面白かった」という話が出て、そこであらためて注目が集まって番組の価値が上がったりすることがありますよね。
田原:それで言うと「SPIDER」があるよね。「SPIDER」は2週間分のテレビ番組の全てをさまざまな情報と一緒に集積することができる。だから、例えば安倍晋三についてどのコメンテーターがどの番組でどんなコメントを言ったのか、とかそういうことが全部集まるわけだ。
――「SPIDER」は確かにすごく便利なんですけど、ただ「Twitterで話題になった番組をあとから見たい」という希望をかなえるためだけに、全ての消費者が各自で全ての番組を録画しておく必要があるんでしょうか?
水道橋:なるほどね。クラウドにすればいいじゃん、と。ただ「SPIDER」は録画された番組そのものだけではなく、その番組についた放送データやその番組を見ている視聴者のデータが重要なんです。テレビというと日本中みんなで同じ番組を見ている気がするけど、しかし実際は地域によって全然チャンネルが違うんですよ。『笑っていいとも!』を昼の3時からやっているような地域だってあるわけで。そういう状況であっても、みんなと一緒に番組を楽しんでいる感覚を共有できるように「SPIDER」はシステムを組もうとしているわけなんです。これは相当に先進的なことだと思う。
田原:ソーシャルメディアで話題になった番組を放送後に見たいという希望はもっと増えていくだろうね。今までは番組を生で見てもらうことしか考えていなかったんだろうけど、今後は番組放送後にも番組を見てもらう大きなチャンスが出てきた。これを生かさない手はないよね。
(終わり)
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