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学校へ行くメリットが説明できない時代小飼弾×松井博、どこへ行く? 帝国化していく企業(6)(3/5 ページ)

仕組みをつくる一握りの人が富を握り、中間層の仕事は急速に消えていく。そんな世界の中、果たして教育はどうあるべきなのか。ネット上に教材が溢れ、ちょっと検索すればたいていのことの答えが見つかる中で、大学が果たすべき役割とは……。

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小飼:いまの学校って、一番悪いやり方をしているのかもしれない。ひとまとめにしておくことの言い訳はコストですよね。

松井:でもネットがこれだけ発達すると、そんなのどうでもいいのではないかと思いますね。集めないほうがコストが安かったりして。ただ、僕は、競争するのが大好きなんですよ(苦笑)。

小飼:ははは。

松井:競争で伸びるタイプの子って間違いなくいます。僕はそういう意味で、学校は嫌いじゃなかった。

小飼:それはありますね。道場のようなものかな。

松井:そうそう。試合に負けたら、家に帰って、練習して、また試合に臨む。チームスポーツも楽しいし、もめながら練習するのも楽しいし、勝ち負けの体験の共有も面白いし。こうした経験って自分が企業で働いてからも生きていましたね。

 僕は合気道の道場を経営したことがありますが、ものすごく楽しかった。ビジネスを覚えたのは、それが初めてだったんです。月謝をどうしようか? どこの施設を借りようか? といったことを考えました。自分がアップルで管理職になったとき「なんだ、合気道の道場を経営するのと同じじゃないか」と思いましたね。

小飼:そう考えると、やっぱり二分化してしまいますよね。勝つ人と負ける人に。

松井:工夫がうまい人とうまくない人がいますからね。

小飼:ただ、たいていの人は負けたら痛いし、悔しい。いまのところ勝者にしか賞金がもらえない仕組みになっていることが問題。その部分に再配分要素がないと、勝負を楽しいと思ってくれる人の数が増えない。負ける人は勝負に乗ってくれませんからね。

松井:負けると、痛すぎますからね。


多くの人は負けると、痛くて悔しい思いをする(写真はイメージです)

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