英語だけではダメ? 海外で活躍するために必要なこと――田村耕太郎さんの話:仕事をしたら“なんちゃってグローバル君”がいた(1)(3/6 ページ)
「グロバール化に対応するために、英語を勉強しなくては」と考えている人も多いだろう。ビジネスパーソンにとって英語力アップは大きな武器になると思うが、本当にそれだけでいいのだろうか。海外事情に詳しい識者に、グローバル人材になるための方法を聞いた。
日本の経済、長いスパンでみると厳しい
田村:日本では高齢化が進んでいますが、お金を持っている人は多い。欧州の国と比べても、まだまだ大きなマーケット。チャンスはあると思いますが、残念ながら長いスパンでみると「厳しい」と言わざるを得ません。現在、世界の中で日本人の割合は1.8%。すでに98%は日本人ではないのですが、2050年になるとそれが1%になる。
世界のGDPのシェアはどうなっていると思いますか? 現在の日本は5.6%ですが、2050年には1.8%になると言われています。つまり、世界の98%の経済は、日本ではない未来がやってこようとしているのです。
――うーん、「グローバル」について語ろうとすると、どうしてもネガティブな方向になってしまうのかな。冒頭でも述べたとおり、何かしっくりこない感情を解消させるために、田村さんの話を聞きに来たのだが、このままでは不安が増幅されるかもしれない。
消費税は63%に!?
田村:将来、「5」が「63」になると言われています。これは何の数字で、なぜそうなると思いますか?
――というこは、いま「5」の数字を見つければいいはず。5、5……なんだろう? と考えていたけど、時間切れ。
田村:これは消費税の数字ですね。日本の人口構成をみると、将来、現役世代と高齢者の割合が「1.3対1」になると言われています。その社会になると、社会保障費はいくらくらい必要になるでしょうか。いまの社会保障制度を変えずに、その財源をすべて消費税に求めると、63%になるんですよ。
もちろんそうした社会になると、消費税だけではなく、他の税率も上げるでしょう。ただ、若い人の負担は必ず増えていく。消費税が30%、40%くらいになるのではないでしょうか。
――消費税を63%にしないために、政府はいろいろな手を打ってくるはず(でないと困る)。いまのような社会保障制度は維持できないだろうし、軽減税率も大幅にカットされるでしょう。
関連記事
- なぜ給料が二極化するのか? 年収200万円と800万円の人
景気低迷の影響を受け、給料は下がり続けている――。そんなビジネスパーソンも少なくないだろう。では、今後10年間はどうなのか。リクルートで働き、中学校の校長を務めた藤原和博さんに「10年後の給料」を予測してもらった。 - アップルやマクドナルドは、本当に“悪の帝国”なのか?
弱体化する国家を尻目に、国境を気にせず自らの利益を追い求める“企業帝国”たち。世界が一握りのお金持ちと圧倒的多数の単純労働者に分かれていくなかで、人々が幸せになる方法はあるのか。小飼弾さんと松井博さんが語り合った。 - どうすればいいのか? 年収300万円時代がやって来る
景気低迷などの影響を受け、会社員の給料が下がり続けている。低年収時代に会社員はどのように生きていけばいいのだろうか。この問題について、人事コンサルタントの城繁幸さんとフリーライターの赤木智弘さんが語り合った。 - 大企業の正社員、3割は会社を辞める
東日本大震災の発生以降、「今後どのように働いていけばいいのか」と考えるビジネスパーソンも多いのでは。ポスト大震災の働き方について、人気ブロガーのちきりんさんと人事コンサルタントの城繁幸さんが語り合った。 - なぜ内定をもらえない学生が出てくるのか――彼らの行動を分析した
学生の就活が本格化しているが、内定をもらえる人ともらえない人でどのような違いがあるのか。これまでよく分からなかったことが、ビッグデータで明らかになってきたという。就活生の行動を分析している、リクルートキャリアの担当者に話を聞いた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.