英語だけではダメ? 海外で活躍するために必要なこと――田村耕太郎さんの話:仕事をしたら“なんちゃってグローバル君”がいた(1)(4/6 ページ)
「グロバール化に対応するために、英語を勉強しなくては」と考えている人も多いだろう。ビジネスパーソンにとって英語力アップは大きな武器になると思うが、本当にそれだけでいいのだろうか。海外事情に詳しい識者に、グローバル人材になるための方法を聞いた。
雇用が半分になる理由
田村:次は世界の話をしますね。「いまと比べて2030年までにマイナス50%になる」と言われているものがあります。それは何だと思いますか?
――世界の人口が増えているので、食料問題に関係することかな。それとも環境問題のことかな。
田村:これは労働問題に関係する数字で、世界の雇用は、いまの半分ほどになると言われています。では、なぜ半分ほどになってしまうのか。それはテクノロジーの進化が影響しているのです。
例えば、「グーグルカー」をご存じでしょうか。このクルマのスゴいところは、ロボットが運転すること。すでに公道実験をしていますが、事故を起こしたのは1回だけ。その1回の事故は自動運転でなく、人間が運転していました。グーグルカーが実用化されると、ドライバーが不要になってきます。つまり、今後はドライバーに関係する仕事がなくなってしまう、ということですね。
キヤノンが大分県にデジタルカメラの工場をつくる、というニュースがありました。大きな工場ができると、雇用が増えるので地元の人は喜びました。しかし、工場の内容を聞いて、地元の人がガッカリされていました。なぜならその工場は完全自動化工場なので、「雇用ゼロ」だったからです。こうしたケースが、今後もいろいろなところで広がっていくのではないでしょうか。
グローバルな人材になろうが、なるまいが、すでに君の代わりはどこにでもいる……という時代がやってきます。世界との競争はすでに始まっていて、日本人よりも安い賃金で働く人たちが、海外にはたくさんいます。しかも日本語も英語も母国語も流ちょうに話せる人たちが、たくさん出始めているのです。しかしそうした彼らも単純労働を続けている限り、やがてテクノロジーにやられてしまうでしょう。
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