英語だけではダメ? 海外で活躍するために必要なこと――田村耕太郎さんの話:仕事をしたら“なんちゃってグローバル君”がいた(1)(6/6 ページ)
「グロバール化に対応するために、英語を勉強しなくては」と考えている人も多いだろう。ビジネスパーソンにとって英語力アップは大きな武器になると思うが、本当にそれだけでいいのだろうか。海外事情に詳しい識者に、グローバル人材になるための方法を聞いた。
決断力を養うことが大切
田村:「リベラルアーツ」という言葉をご存じでしょうか。いま出版界で注目されている言葉で、意味は「生き抜くために、いろいろな学問を学ぼう」ですね。これからのグローバル社会の中では、とにかく世の中がどうなっていくかを考えていかなければいけません。そのためには、あらゆる知識を吸収して、それをつなげていくことが大切になってきます。
本を読む場合、ひとつのジャンルではなく、幅広く読むことをオススメします。経済小説でもいいですし、歴史小説でもいいし、哲学でもいい。違うジャンルの本を同時に読むことによって、発想力を鍛える。可能であれば、いろんな国を見て、これから何が起きそうなのか――といったことを考えてみてください。
いまのままでは、日本人の年収は150万円とか200万円になってしまうかもしれません。しかし社会にあるいろんな穴やネタを見つけて、それをデザイン化またはソフトウェア化する力を養っていくことが大切になります。
最後に、決断する力をつけてください。自分ならどうする? ということを常に考える。もし自分が安倍総理だったら、どうするか。自分が会社の社長だったら、どうするか。こうした訓練はすぐにできるので、ぜひ決断力を養ってください。
田村さんの話、いかがだっただろうか。「イノベーションを起こすなんて、簡単にできないよ」と批判的に受け止めた人がいる一方で、「自分が○○だったら、どうするか」と考えることならできるかも、と好意的に受け止めた人もいるだろう。
いまさらグローバル化の流れを止めることは不可能だ。国境と日本語という壁が崩れていく中で、世界中の優秀な人材とどうやって戦えばいいのか。日本にいながらできること、働きながらできることについて、田村さんに聞いた。次回、お楽しみに。
(つづく)
関連記事
- なぜ給料が二極化するのか? 年収200万円と800万円の人
景気低迷の影響を受け、給料は下がり続けている――。そんなビジネスパーソンも少なくないだろう。では、今後10年間はどうなのか。リクルートで働き、中学校の校長を務めた藤原和博さんに「10年後の給料」を予測してもらった。 - アップルやマクドナルドは、本当に“悪の帝国”なのか?
弱体化する国家を尻目に、国境を気にせず自らの利益を追い求める“企業帝国”たち。世界が一握りのお金持ちと圧倒的多数の単純労働者に分かれていくなかで、人々が幸せになる方法はあるのか。小飼弾さんと松井博さんが語り合った。 - どうすればいいのか? 年収300万円時代がやって来る
景気低迷などの影響を受け、会社員の給料が下がり続けている。低年収時代に会社員はどのように生きていけばいいのだろうか。この問題について、人事コンサルタントの城繁幸さんとフリーライターの赤木智弘さんが語り合った。 - 大企業の正社員、3割は会社を辞める
東日本大震災の発生以降、「今後どのように働いていけばいいのか」と考えるビジネスパーソンも多いのでは。ポスト大震災の働き方について、人気ブロガーのちきりんさんと人事コンサルタントの城繁幸さんが語り合った。 - なぜ内定をもらえない学生が出てくるのか――彼らの行動を分析した
学生の就活が本格化しているが、内定をもらえる人ともらえない人でどのような違いがあるのか。これまでよく分からなかったことが、ビッグデータで明らかになってきたという。就活生の行動を分析している、リクルートキャリアの担当者に話を聞いた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.