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青木宣親、屈辱のトライアウトからはい上がったメジャーリーガー:臼北信行のスポーツ裏ネタ通信(5/7 ページ)
日本人メジャーリーガーとして、イチローに次ぐ200安打を達成しそうなのがブルワーズの青木だ。エリートの地位を捨て、夢を追い海を渡ったオトコがいた。
家族の支え、「やりたいことをやるのが一番」
現状よりも低額の契約条件、しかもレギュラーを狙うべき外野のポジションは最初から「フルハウス(満杯)」。イバラの道が確約されていると言っても過言ではない状況に、普通ならば二の足を踏んでも不思議はない。
知人や関係者からは再三に渡って「ヤクルトに残ればレギュラーの座も保障されているし、待遇もいい。将来のことを考えて安定した道を選ぶべき」と古巣残留を勧められたそうだが、妻の三知さんに「やりたいことをやるのが一番。やらずに後悔するのは一番良くない。私たち家族は、そんなあなたにどこまでも付いてくし、応援する」と肩を押されたこともあって、かねてからの夢であったメジャー挑戦を実現させた。そんな当時の心境について青木は、こう振り返っている。
「家族の後押しを受けたことで、モヤモヤしたものも吹っ切れた。メジャー挑戦の夢を昔から持っていた自分にウソをつきたくなかったし、何より応援してくれる妻にメジャーリーガーとしてイキイキとプレーするボクの姿を見せなければいけないと思った」
春季キャンプでは動く速球に手こずり、何度も打撃フォームを修正。控えとして開幕を迎えたが「必ずチャンスは訪れる」と自分に言い聞かせ、モチベーションを保ち続けた。そして……、主に代打要員や守備固めといった少ない出場機会の中でも攻守に渡る活躍を見せながら徐々に首脳陣の評価を向上させ、5月下旬に右翼手の定位置を奪ったのである。
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