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なぜJR北海道でトラブルが続くのか杉山淳一の時事日想(2/7 ページ)

JR北海道で車両火災などトラブルが頻発している。車両の新旧や該当箇所もまちまち。共通の原因を見つけ出すとするなら、それは車両ではなく運用だ。JR北海道は昨年、整備体制の不備を会計監査院に指摘され、国土交通省から業務改善命令も受けていた。

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今年だけでもほかに4件の発煙・出火

 JR北海道の出火事故は今月だけではない。今年の2月から5月までに4件も発生している。

  • 2013年2月 函館本線で「スーパー宗谷2号」の床下から発煙
  • 2013年3月 室蘭本線で停車中の「北斗5号」の床下から発煙
  • 2013年4月 函館本線で特急「北斗20号」でエンジンから出火
  • 2013年5月 函館本線で特急「スーパーカムイ6号」で床下から出火

 このほか、6月にも石勝線で「スーパーおおぞら9号」で油漏れ、2月には特急「サロベツ」で走行中に乗務員ドアが開く事案が2回発生した。

 上記のうち、5月の「スーパーカムイ」は新型の電車である。いまJR北海道で起きている事象は、列車の動力方式に関係なく、原因箇所も多岐にわたる。しかし、共通点を探すなら整備不足が浮かびあがる。これらの事故は、保守点検をしっかりやっていれば防げた可能性が高い。


最新型の特急電車「スーパーカムイ」も床下機器から出火している

 この事態を受けて、国土交通省はJR北海道に対し、JR東日本に協力を要請するよう指導した。報道ではディーゼル特急の事故を大きく扱っているため、「JR東日本はディーゼル特急車両の運用実績が少ないのになぜ」と思われたかもしれない。しかし、原因は整備体制であるなら、JRグループの中でもっとも運行本数が多く、車両トラブルが少ないJR東日本が適当だ。JR北海道も整備体制の不備を認めており(参照リンク)、JR東日本からは整備面全般のノウハウについてアドバイスを受けるとみられる。

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