「わいせつメール」交際で叩かれる懲りないNY市長候補:伊吹太歩の世界の歩き方(2/4 ページ)
ネット上で知り合った女性に不適切なメールを送って政治家生命が絶たれそうなウィーナー米元上院議員。自業自得とはいえ、少しかわいそうな気もする。
「2度目のチャンス」を与える米国民もあきれた
米国でウィーナーといえば、誰しも「上半身裸の写真」を思い出す。2年前のスキャンダルのイメージがまだ温かいままで政界復帰を狙うのも勇気がいったはずだ。だが「人間は誰しも過ちを犯す」ものであると考え、「2度目のチャンス」を与えることに米国人は寛大である。過去の罪を懺悔(ざんげ)すれば、赦しは得られる。宗教的な背景もあって、そんな考えが美徳だと根付いている社会だ。
ニューヨーク市長選は、ウィーナーにとって新たに政治家としてやり直すチャンスになるはずだった。だがまたやってしまった。前回と同じ「性癖」が再び騒動を巻き起こしたのだ。2年前の辞職後も、複数の女性とわいせつメールのやり取りをしていたことが、女性の暴露により明らかになったのだ。懲りない男である。性癖は簡単には変わることはないということだろう。
そんなことで再びメディアを騒がせているウィーナーだが、彼はニューヨーク市長選から撤退しないと意思を表明している。さすがにニューヨーク市民もそこまでは寛大ではないはずで、スキャンダル発覚前には2番手にまで支持を伸ばしていたウィーナーも万事休すといったところだ。
ただ今回の騒動には若干だが違和感もある。今回ウィーナーが個人的に送った電子メールを公表した23歳の女性は、メールでお互いに性的な内容ともみられるようなやり取りをしていた。しかも楽しんでいた、ともとれるのだ。
そもそも2人が知り合ったのはFacebook。2年前のスキャンダルの後、政治に興味があったというこの女子大学生は、ウィーナーの騒動に「がっかりした」という趣旨のメッセージを送った。ウィーナーから返信が来たのは、それから1年ほどが経ってからのこと。
2年前と同様に、今回も電子メールによるやり取りだけで2人が実際に会ったことは一度もない。2人のメール交換は、いつの間にかエロ小説のようなやり取りになっていく。この女性が公表したメールの1つはこんな具合だ。
ウィーナー: 君を抱いているときは、耳元でささやきたい。いいかい?
女性: 大歓迎だわ。そういうのは私をかなり興奮させるわ。
ウィーナー: シャワーを浴びてたら、一緒に浴びたいかい?
女性: それは完璧なシチュエーションだわ。
米メディアではそれ以上のやり取りも公表されているが、あまりに露骨すぎるためにここでは控える。ただそんなやり取りをする関係で、調子に乗ったウィーナーが自らの局部を写した写真を送った。実際に彼女はウィーナーに「写真をアップして、でも私の携帯がスローだから、ちょっと我慢して」とメッセージを送っている。
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