“最高の授業”は世界に届けられるのか? 課題はマネタイズ:仕事をしたら“なんちゃってグローバル君”がいた(5)(4/5 ページ)
教師不足に悩む途上国に、DVDなどを使って“最高の授業”を届ける――。そんなプロジェクトが進んでいるが、課題はマネタイズ。安定的に続けていくためには、どのような工夫が必要なのだろうか。
土肥:米国の大学を卒業されて、日本の企業に就職する可能性もあるのですか?
税所:ありますね。企業で働く経験を積むことで、ビジネスを知ることができますよね。ボクは「NPOの人間は、NPOだけのことやっていればいい」とは思っていません。逆に「ビジネスの世界で活躍している人は、ビジネスのことだけやっていればいい」という考え方もどうかなあと思っています。
ひとつのことしかできない人間になるのではなく、NPOとビジネス――両方で活躍できる人間になりたい。そういう意味でも、やはり一度は就職したいですね。
土肥:いまの話を聞いて、これからは税所さんのような生き方をする人が増えてくるのかなと思いました。というのも、以前は「オレはサラリーマンだから、会社で仕事をしていればいい」「オレは利益を追及する会社が嫌いだから、NPOなどで活躍したい」といった感じで、きっぱり別れていたのではないでしょうか。
でもいまは「プロボノ」が注目されていますよね。プロボノというのは、各分野の専門家が自分が持っているスキルなどを生かして社会貢献を行うこと。こうした活動をする人が増えてきている背景には、「ひとつのことしかできない人間になりたくない」という考えが、広がっているのかもしれません。
税所:なるほど。ボクはまだNPOのことしか知りません。このまま「NPOのことしか知らない」人間になれば、視野が狭くなっていくのではないでしょうか。ボクは“ビジネスを回す”という感覚がないので、それを実体験で学びたいですね。
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