あなたが定年まで働き続けなければならない本当の理由:年収1000万円の貧乏人(1/3 ページ)
サラリーマンになってから、いつも疑問に思っていたことがありました。「毎月20万円も稼げば生活できるのに、なぜ必死に働いているのだろう?」答えの1つは「資本主義社会だから」。改めて考えてみると、資本主義とは何でしょう?
集中連載「年収1000万円の貧乏人 年収300万円のお金持ち」について
本連載は、伊藤邦生著『年収1000万円の貧乏人 年収300万円のお金持ち』(中経出版)から一部抜粋、編集しています。
――年収1000万円。多くの人があこがれる数字です。「1000万円もあれば、あんなこともこんなこともできる」そんな夢を見る人もいるでしょう。しかし、1000万円稼いでも幸せなお金持ちになれるとは限りません。実際「お金の奴隷」となって、不幸な人生を送る人もいます。
一方、年収300万円と聞くとどうでしょうか? 「これでは満足できない」と言う人もいるでしょう。しかし年収300万円でも法則さえ知っていれば幸せなお金持ちになれます。年収が少なくても「お金の主人」になれれば、どんどんお金は貯まっていくのです。
年収がいくら高くても「お金の奴隷」に甘んじる人もいれば、年収300万円でも確実にお金持ちに、そして幸せになる人もいるのです。
その差を分けるものは何か? 本書では、お金持ちになる2つの法則をメインに、6つのステージに分けて働く理由やお金の流れなどを具体的に紹介します。
もっと収入を! そして、もっと消費を!
サラリーマンになってから、いつも疑問に思っていたことがあります。今の時代、毎月20万円も稼げば生活できます。でも、なんでこんなに必死になって働いて「もっと給料が欲しい」「もっと出世したい」「もっと稼ぎたい」となるのでしょうか?
明確な答えが分かったわけではありませんが、ただ1つ確実に言えるのは「資本主義というのは、お金の流れが自動的に拡大していく社会である」ということです。
企業は、もっと商品やサービスを作って稼ごうとする一方で、その中で働いているサラリーマンも、もっと働いて収入を得て多くの消費を行う──その流れが自然と促されていく仕組みなのです。
企業の存在意義は「稼ぐこと」です。そして「来期は今期よりも稼ごう」と、懸命に頑張ります。なぜならば、激しい競争社会だからです。競合他社が常にマーケットを狙っています。自社よりすばらしい商品を開発するかもしれません。だから商品開発を行い、より良い商品やサービスを提供しないと生き残れません。
ただ、良い商品やサービスがあっても売れなければ意味がありません。だから消費意欲をかき立てるような広告活動を展開します。食欲をそそる新商品のCM、あこがれの芸能人が颯爽(さっそう)と車を乗りこなす新車のCM、キレイな水着の女性が写っている広告、優雅な生活をイメージさせる新築マンションの広告……などなど。
強い意志がないとお金を使ってしまう社会で生きている
はっきり言います。現代社会の中で生活することは「多くの企業が練りに練った販売戦略を行い、消費活動を喚起させようとしている社会で生きていく」ということなのです。
だから、よほど強い意志がない限りお金を使ってしまいます。企業がこれだけ労力をかけてマーケティングを行い、消費を促すようにガンガン広告活動をしているので、お金に対してしっかりした考えを持たずに行動していると、どんどんお金を使ってしまうのです。
「年収が1500万円もあってビジネスマンとして優秀なのに、なぜ貯金もなく借金がいっぱいあるのだろう?」という証券マンもいます。常識的に考えれば不思議に思うかもしれません。しかし今の資本主義社会では、お金に対して真剣に考えていなければ、そのような行動を取ってしまうのもしかたのないことなのです。
資本主義社会は、企業が「よりたくさんのお金を稼ごう、より多くのものを消費させよう」と努力している社会です。だから人々は「もっと働いて、もっと稼いで、もっとすばらしい商品やサービスを買いたい」となってしまうのです。
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