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なぜ阪神・淡路大震災の教訓を生かせなかったのか――「助けあいジャパン」の創始者に聞く働くこと、生きること(前編)(3/3 ページ)

公益社団法人「助けあいジャパン」の創始者・佐藤尚之さんは、阪神・淡路大震災を経験し、個人が情報を発信することの大切を痛感したという。その後、ネットを中心に、情報発信を続けてきたが、東日本大震災のときにはうまく機能しなかった。その理由は……。

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わずか1年で公益社団法人へ

 そんな状況であればなおさら、会長を務める公益社団法人「助けあいジャパン」には大きな存在価値があるといえる。

 「阪神・淡路大震災でできなかったことにじくじたる思いがあったこと、そして被災者だったことが『助けあいジャパン』設立の大きなきっかけです。ソーシャルメディアには不正確な情報も流れてくるからこそ、自治体、官庁、政府などから正確な情報を送ってもらうことが必要だと考えたんです。被災者経験はあるし、鳩山内閣当時に培った政府とのコネクションもあるし、ネットもソーシャルメディアも得意だということも含めて、やれる人は僕しかいないかなと自覚した。政府連携の民間サイトを作ったのは、そんな理由からです。政府からは一銭ももらわずに、ですよ。なぜなら、政府のサイトを作っても民間から協力してもらえないから。でも民間のサイトなら、みんなが協力してくれる」

 事実、反響は大きかった。TwitterやFacebookで協力者を募ると、「まさにエジプト革命のときみたいに」多くの人が参加してくれた。そして結果的に「助けあいジャパン」は、わずか1年という異例の早さで公益社団法人になった。ただしそののち、さとなお氏は代表の座を退くことを決めていた。

つづく

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