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「はだしのゲン」がバカ売れ、仕掛けたのは誰か?:窪田順生の時事日想(2/4 ページ)
小学校での閲覧制限を受けて「はだしのゲン」が前年の3倍売れて在庫がなくなったという。国による制限は、日ごろ注目されない人を喜ばせるだけだ。
発行元の汐文社によると、2013年7月と8月は前年同時期の3倍に当たる約7000部を発行し、在庫が少なくなったため、全10巻に関しそれぞれ2000部の増刷を決めたんだとか。さらに文庫版を発行している中央公論新社では、全7巻各約1万部の増刷を決めている。
読むなと言われると人は読みたくなる。いったいどういう問題描写がされているのかと知りたくなる。結果としてこれだけ世にあふれたわけだから、『はだしのゲン』が子供たちの目に触れるチャンスもグーンと増してしまったわけだ。役所や国が閲覧制限をすると海江田さんが日教組の集会でワーワー言い出すように、日ごろ注目されない人たちを喜ばす結果にしかならない。
子供に悪影響だというのなら、「戦争体験記というのは、虚実入り交じったプロパガンダが多い」という広報活動に力を入れたらどうだろう。実在した731部隊をベースにしているものの人体実験の描写はかなりハチャメチャな森村誠一氏の『悪魔の飽食』しかり、戦争にまつわる作品はどうしても虚実が入り交じる。怒りが原動力になっているのとイデオロギーが優先されるからだ
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