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病気にのまれてしまった人が死ぬときに後悔する34のリスト(2/3 ページ)

患者の心の持ち方次第では、生存率に大きな差があります。病気にのみ込まれて絶望してしまう患者はたくさんいますが、生存率が高いのは、病気と積極的に闘いながらも、それを無視できる人なのです。

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死を意識したことで解き放たれた

 主治医からは、放射線照射は疲れや肌のかさつき、焼け焦げのような痕が残ること、またホルモン療法は更年期障害と、それぞれ副作用が出ると聞かされていました。この副作用が思いのほかひどく、とくにホルモン剤を飲むと疲労感、倦怠感がどんどん増していき、子どもたちに微笑むこともしんどくなったそうです。

 そのとき宮崎さんは主治医と話し合い、やめた場合の再発の可能性を数字で示してもらい、最終的に自分でホルモシ療法をやめる決断をしたのです。

 「再発しない人は、たくさんいる。ならば再発しないという希望を持って生きていこう」

 そう思ったら、心も体も軽やかになったそうです。宮崎さんは、当時の心境をあっけらかんと、こう表現してくれました。

 「簡単なことですよ。死を受け入れたんです」

再発の不安が心身のバランスを蝕む

 がんは最初にできた原発巣と、原発巣から転移した転移巣に分けられます。手術で原発のがんが完全に摘出されれば転移は起こりません。もし術後に再発が起これば、それはすでに手術の前に、画像診断や腫瘍マーカーなどでも分からないほどの微小な取りきれない病巣があったと考えられます。

 よく「5年生存率」という言葉を聞きますが、微小転移のほとんどが、この間に分かるまでに増大すると考えられているからです。再発がんは早く発見しても治療は大変むずかしく、現在の医療(標準治療)では完治させることは困難です。

 外科手術で病巣だけを切り取っても、進行して広がったようなものはお手上げなのです。それだけに、その間に受ける患者の精神的ストレスは大きく、再発するのではないかとの不安から心身のバランスを崩してしまい、治療に影響が出てしまうことがあります。再発という不安にのまれてしまうのです。

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